俳句  恋人に聴かす島唄寒ざらい
磨かれし夜のキッチン玉子酒

恋人に聴かす島唄寒ざらい

寒卵ひよこ出たならどうしよう


東京にいた頃、
リコーのコピーマシンを買ったことがあった。
配送の青年が二人来て、オフィスに運んでくれたが、
一人は沖縄の石垣島出身の青年で、
もう一人はタイから出稼ぎに来ている青年だった。

バブルの頃は、
外国から働きに来た青年たちをたくさん見かけたものだったが、
彼らを、まるで虫けらのごとく扱う場面に遭遇して、
ひそかに胸を痛めたことが多々あった。

ところが、この石垣島出身の青年には全くそんな素振りがなく、
日本人のようには気がまわらないタイ人のパートナーに、
親切にあれこれ指示していた。

わたしは、なんとなく心がなごんで、
ちょうどお昼時でもあったし、
あなたたち、いつもお昼はどうしているの、と訊いたら、
ほかほか弁当なんか買って食べてます、というので、
近所の中華屋さんに連れていった。

石垣島くんは素朴な好青年で、
東京は人も車も多くて疲れます、と笑顔で語ってくれたが、
この純朴な青年に、都会はドライ過ぎるのだろうと、
ちょっぴり痛ましさを覚えた。

それから時々、
東京大神宮近くの沖縄料理「島」に、
石垣島くんとタイくんを誘って、泡盛を飲んだりした。

やがて、石垣島くんは地元の空港に仕事が決まり、
沖縄に帰っていった。

今日、その石垣島くんのご親戚の方に御目文字した。
ハワイで沖縄料理のお店を経営されているTさんから連絡があって、
石垣島くんの叔父さんご夫妻がいらしているという。

叔父さんご夫婦も石垣島くん同様、
あたたかいお人柄の方たちであった。
わたしの出会う沖縄の人たちというのは、みんな温かい人ばかりだ。

で、わたしはすっかり忘れていたのだが、
石垣島くんが沖縄に帰るとき、
どうもお母さんにバッグを求め、持たせてやったらしい。
そういえば、そんなこともあった。
石垣島くんは小さいときにお父さんを亡くされ、
お母さんが苦労して彼を育てたのだという。

そのバッグをお母さんは未だ大事に使って下さってるそうで、
バッグを持ってポーズをとったお母さんのお写真を、
石垣島くんからの心尽くしの古酒と一緒に頂戴した。

今日は、ハワイ三線会の方々もいらしていて、
久々に「島唄」を聴かせていただいた。
心に沁みる唄声であった。
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by leilan | 2005-01-17 21:44
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バッカスの神さまに愛されたい
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