俳句  冬木立中也の帽子往きにけり
かさね着やメンタムリップ重き唇  (唇=くち)

冬木立中也の帽子往きにけり

大寒の赤き仁王の力瘤       (瘤=こぶ)


あれは何年前だったか、
たまには日本で正月を迎えたいと思い、
暮に帰国したことがあった。

で、年始の挨拶に見える親戚の者たちと一杯やりながら、
ちらっちらっと新春恒例の箱根駅伝を眺めていた。

中継所で、自分のチームの走者が来ない選手が、
遠くを見ながら足踏みをし、
身体が冷えぬようにして待っているのだが、
なかなか来ない。

先頭の選手のたすきリレーが行われてから、
ある一定の時間がたって、
審判が無常な判決を下した。

繰上げスタートである。

たすきを受け取らずに、
残った数組の選手は駆け出さなければならないのだ。
彼らは仮のたすきをかけて走り出した。

中継地点で待っているはずの選手にたすきを渡すべく、
必死の形相で駆けてきた選手が、
自分が渡すべき選手がいないのを知って、
泣きながら倒れ込んだ。

それと同時に、
堰を切ったように涙があふれてきたのだ。
わたしはほとんど号泣したのである。

一緒に見ていた叔父は、
俺は孫の運動会で泣いちまうんだ、と話していた。

遠目で見ると、
白い豆粒のような孫がスタートラインに並び、
「ドン!」の合図で駆け出す。
その駆け方からして可憐そのもので、
早くも涙腺はゆるみはじめるのだが、
足がもつれているのに転びもせず、
一生懸命の顔して走ってくると、
もう手放しの号泣であるという。

泣くといえば、
昨日意外なことで泣いた。

C-SPAN というTVニュースが気に入って、
最近はCNNよりもこちらの方をよくチェックしている。

で、イラクの選挙の模様が放映されていて、
ああ、この人たちは命がけで投票しているんだな、
と思った瞬間、嗚咽が込み上げてきたのだ。

ひとり、さめざめと泣いた。
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by leilan | 2005-01-31 17:25
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バッカスの神さまに愛されたい
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