俳句  さみしさはきつと鞦韆より生る

おぼろ夜の所在のなくて猫起す

さみしさはきつと鞦韆より生る    (鞦韆・しゅうせん=ぶらんこ)

碧空を映してふうわりしゃぼん玉



子供というものは、どうかした瞬間に、
とてつもないことを考えつくものである。

<でんでんむしむし、かたつむり>
の唱歌を思い出すたびに、
小さいときに、この歌を知ったときのことを思い出して、
いつも一人で笑いを噛み殺すのだ。

子供のころ、近所に知ちゃんという子がいて、
いつもわたしと知ちゃんは一緒に遊んでいた。
知ちゃんの方がわたしより一つ年上だった。

ある日、一緒に木登りしていたら、
いい歌を教えてやる、と言って、
題は<りむつたか>って言うんだ、と知ちゃんは得意だった。

りむつたか、って何のことなの、と訊いたわたしに、
いまに判るよ、大きくなったらね、と先輩ぶって、
木の上でレッスンがはじめられた。

  んでんでしむしむ りむつたか
  えまおのまたあは こどにるあ
  のつせだりやせだ またあせだ

という歌をわたしは覚えさせられた。

子供のころの記憶は妙に鮮明に残るもので、
わたしは今日でも、何かするとこの呪文唱歌を思い出し、
歌っている自分に気付いて、可笑しくなる。

その後、中央公論社から出た<日本歌唱集>に、
明治期の文部唱歌には、
何らかの形で訓育的な意図が付されていたが、
この歌にはそれがなく、そこが良いと記されていた。

なるほど、子にとって蝸牛の面白さが、
そのまま歌われているところに、
この唱歌がいまなお子供たちに歌われる理由がありそうだ。

が、わたしにとっては、知ちゃんが木の上で教えてくれた、
♪んでんでしむしむ りむつたか
これが、正調<かたつむり>よりも尊い、
変調<りむつたか>なのである。

知ちゃんは家業を継いで、和尚さんになった。
ひょっとしたら知ちゃんのことだから、
お経を引っ繰り返して唱えていないとも限らない。
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by leilan | 2005-02-17 21:42
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バッカスの神さまに愛されたい
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