『俳句』  緑一色(りゅーいーそ)決めて扇をひらきけり

♪白い渚のブルース
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           緑一色決めて扇をひらきけり  麗蘭





男と女のいるテーブル


b0048657_12332188.jpgはじめてデートをしたのは高校生のときだった。
お互いに知ってる友達の話や
おもしろかった本なんかの話をして、
アイスクリーム屋さんに入った。

チョコミントの薄いグリーンもシュガーコーンのワッフル模様も、
全部楽しそうにみえた。

「いただきま~す」
おもいきり口を開けてかじりついた瞬間

ばりばりばりばりばりばりばり

崩壊寸前のコーン。
ひざに落っこちそうなアイスクリーム。
パニックの中、考えついたのはなぜか
「ちゃんとしたシュガーコーンってすっごくもろいのね~」

少しずつ少しずつかじるのが、
正しいシュガーコーンの食べ方だったのね。
はじめてのデートだったのに
このあとのことが一切記憶にない。



数年後。

b0048657_12424660.jpg少しだけ大人になった私は、
恋人を待っていた。

そのひとは、
わたしが他の友人と遊びに行ったり、

ひとりで映画やコンサートにいくだけで不機嫌になった。

喧嘩するのが嫌で自分を殺す毎日。
もううんざりしてしまった。
一緒にいて楽しいという気持ちがなくなってしまった。

今日こそ別れるっていおう。
絶対にいうんだ。

先に待ち合わせ場所の喫茶店についた私は、
そればかり考えていた。

しばらくして恋人がやってきて、
お腹が空いていたのかドライカレーなんか注文した。
自分の気持ちを話して早く楽になりたかった。

「…もうやめにしましょう。
あなたの顔色ばかり気にしてつきあうの疲れたわ」

そう言い終ったときにドライカレーが運ばれてきた。
恋人は口をつけなかった。

「わかった」

とだけいってジッとサフラン色のご飯を見ていた。
自分の残酷さがちょっぴり嫌になった。



大人になってから。

b0048657_12515948.jpgもうすぐ逢えなくなる人に、
なじみのお店に
連れていってもらう事になった。

わたしの知らない道を
すいすいと歩いてゆく。
何本も路地があって、
いくつも看板があって
迷路みたいなところ。

やっとそのお店について、
格子のはまった硝子戸を開けると、
「いらっしゃい!」
という威勢のいい声で迎えられた。

厚い木のカウンターがあって、
何人もの板前さんが働いている。
きびきびした動きがきもちいい。
寒い時期だったから熱燗をたのんだ。

忙しい人で、
なかなか逢えずにいて、
逢うたびに季節が変わっていた。

繊細な料理を味わい、
どうでもいいことをおしゃべりして笑った。

もう逢えなくなるんだと考えたくなかった。

立ち昇る料理の湯気やお酒の香り、
木のカウンターの手触り。
爪楊枝をくわえて起きあがる小鳥のついた楊枝入れなどを
一生懸命に覚えておこうと思った。

時間がきて別れる時、
わたしの姿が見えなくなるまで見送ってくれた。

そんなことはじめてだったから、
本当に逢えなくなるんだと淋しくなった。

タクシーの窓越し、
小さくなってゆくその人の姿が、胸にしみた。



白い渚のブルースに誘われて、
何故か、
こんな思い出を書き綴ってしまった。

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夏のお造り

b0048657_12135026.jpgすだちが手に入ったら。

ひらめの薄造りをですね、
お皿に花びらみたいに盛り付けて
荒塩をぱらぱらとかけます。
そして冷凍庫で思いきり冷やします。
でも凍らせてはだめ。

お膳に冷酒を用意したら、
さっきのお造りのお皿をもってきて、
食べる直前にすだちをぎゅっとしぼる。

透けているひらめの身が果汁で半透明になったところを、
そっとお箸でつまんでお口に入れると立ち上がるすだちの香り。
しこしこしたひらめの歯ごたえと甘味。
柔らかにのどを通ってゆく冷酒。

しあわせの瞬間。
 





♪山ちゃんのテーマ
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              芝青し山ちゃんのゐる競馬場
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by leilan | 2005-05-26 17:00 | 俳句
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