フランス・EU憲法を国民投票で否決・・・ユーロに売り圧力


ユーロに対する売り圧力が徐々に強まっている。

b0048657_22264041.jpg
そりゃ、じわりともくる。
EUの柱の一カ国であるフランスがEU憲法を国民投票で否決したことは、
「EUの先行きはどうなるのか」という疑念に繋がるわけで。。。




今回の選挙を見て、にわかに思い出したのが昨年のインド総選挙だ。
バジパイ首相率いるインド与党がよもやの敗北を喫したことは
まことに衝撃的だった。
(とりわけ私は、インド株を保有していたのでギャフンときた!)

私だけでなく、世界のマスコミも、
そして予定された選挙を半年前倒しで実施したバジパイ自身にとっても
あれは予想外だったと思う。

その理由は何だったか。
ニューヨーク・タイムズの記事には実に端的な表現があった。

anger among millions of India's rural poor over being left out of the economic boom fostered by the current government

b0048657_22385154.jpgつまり、「貧者の怒り」だというのだ。
バジパイの読みは、今のインドはすさまじい経済成長の最中にあって、
国民の多くもそれを喜んでいる。
だから、今選挙をやった方が「次の5年」が保証される、と。

しかし、一人一票の選挙は文字が読める
都市の豊かな人間だけがやるわけではない。
インドには約3億前後(全体人口は約10億)の非常に貧しく、
文字も読めない人々が農村地帯にいる。

バジパイは彼らの「怒り」が読めなかった。



理念を掲げ、実際にメリットもないわけではない政権の政策。
対外的には説明のつく、理念ある政策だった。
国内にメリット(しばしば理念的な)を享受できる人も多かった。

しかしその政策の恩恵を被らない人々はいて、
その人々も一人一票の票を持っている。
インドの場合はそれが3億人の「成長に預かれない人々」だった。

「ヨーロッパが一つになる」という理想を掲げる
シラク政権の夢に賛同している人は国内にも多いと思う。
45%はいたということだ。

ヨーロッパの過去を考えると、
フランス、ドイツ、イギリスといった国の境目を
徐々に取り除いていった方が良い。
EU憲法は、その方向に向けての大きな前進でもある。

しかし、実際に暮らしているフランスの一般庶民にしてみると、
「EUが出来てから、何か良いことがあったかい・・」ということになる。
今はEUは東に向かって拡大しているが、
それだけでさえ安い労働力がEUという大きな市場に
投げ込まれる状況になっている。

それが今度は、未だフランスやドイツ国内で数多くの問題を抱えている
トルコ人の故郷であるトルコがEUに入る方向で進みつつある。

東ヨーロッパやトルコからの労働者と直接に、
そうでなくても間接的に競争状態に置かれている労働者にしてみれば、
「EUのメリット」は実感できないだろう。

実感できなければ、景況の良くないフランス経済の中にあって、
シラク現政権に対する不満は吹き出してくる。
インドもフランスも
「貧しいが、それでも一票を持つ民衆の反乱」という気がする。

このユーロが買えない雰囲気が、
ひいてはドル高に繋がっている。
ドルは対円でも強い。ドルには金利高というメリットがある。
市場とはそんなものです。
アメリカの双子の赤字への懸念は今は忘れられている。
しばらくはこのまま走るのだろう。

しかし、市場の関心は巡る。
ユーロの底はそれほど遠いものではないような気がする。

それにしても(子供もいるでしょうからそれは除外して)
「10億人以上の人口が一人一人一票を持った時の中国」
これを想像してみるのは、良い頭の体操になる。


■業務連絡ーLAのブランドンへ
 あなたの番組で、この話題を取り上げてみたらどぉ?
[PR]
by leilan | 2005-06-02 07:10 | 浮世草子
<< 『俳句』  くくと泣くひとのこ... 『俳句』  白鷺のふたたび鳴か... >>


バッカスの神さまに愛されたい
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30
カテゴリ
以前の記事
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧