サウジアラビアのファハド国王死去のニュースを聞いて、
ニューヨークのエコノミスト・フィリップ、友人のスティーブンたちと、
「これで落ち着きを取り戻していた原油価格がまた上昇するだろう」
という話をしていたら、
ニューヨーク市場はその通りの展開となった。
1日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、
指標となる米国産標準油種(WTI)9月渡しで、
一時1バレル=62・30ドルまで上昇した。
これは、7月7日に記録した最高値(62・10ドル)を更新する相場。
終値は61・57ドルで、終値でも過去最高値。
ファハド国王の死去で新国王に即位したアブドラ皇太子は、
前国王の親米路線を踏襲するとみられる。
しかし、サウジ国内は女性の社会進出問題、
テログループの発生と摘発など難しい国内問題を抱えており、
権力争いが活発化する恐れもある。
中東ではイランが、欧米諸国が約束を守らないことを理由に、
ウラン転換施設での作業を再開すると国際原子力機関(IAEA)に通告したり、
OPECの主要産油国が様々な政情不安に直面するなど、
原油相場の上昇要因に事欠かない。
いやはや・・。
一方で、北半球の消費国は夏のドライブシーズン。
アメリカでは精油所の事故も相次いでおり、
そういう状況を勘案すると、
原油相場の高値維持は当面続くと考えられる。
ただし、相場的にはやや荷もたれ感が強いことが気になるが。