『俳句』  わが影の君よ乗りませ茄子の馬

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           わが影の君よ乗りませ茄子の馬  麗蘭






私は毎朝、起きぬけにまずキッチンへ直行、
サイフォンに珈琲を仕掛け、ミルクとマグカップを温める。
この手順は十年一日、変わらない。
いや、変わらないはずだった。

ところが今朝、
キッチンへ行ったは行ったが、
何をどうしていいのかサッパリわからない。
手は脳の出張所というけれど、
脳からの指令がないから両手はダラリと下がったままである。
私は呆然とつっ立ったままつぶやいた。

「いよいよ来たか! こりゃえらいこっちゃ」

私がはじめて「老い」を感じたのは45歳、
髪に白髪を発見したときだった。

あれから3年、老化は進んでいる。
生来の色白もち肌が数少ない自慢だったのに、
そこに出現しはじめた薄いシミ。
歯もガタガタしはじめた。

鬼のような女でもいつかは老いる。

以前は三つできた用事が一つしかできなくて、
「時間が足りないよぅ」
とため息を吐くこともしばしばである。

そんな日々の中で、
台所仕事は多分にボケ防止になる作業だと私は思っている。

包丁と火を使うには始終緊張感がともなうし、
気を抜いて作った料理の味はちゃんと気が抜け、
焦って作る料理の味は不味く、
そのときの料理人の気分が即、
結果となって現れるから油断がならない。

献立を決め、
頭の中で料理の手順を組み立てて、
材料を手際よく捌きながら、
一品、また一品と料理を完成させてゆくのは、
なかなか気分爽快なものだ。

こうした調理テンポにまだ老いの兆しは現れていないが、
冷蔵庫の扉を開けてはみたものの、
「何を出すんだっけ?」
と首をひねりながら扉を閉めるときの、
言い知れぬむなしさは、
ぽつぽつ体験しはじめている。

かつての同級生に女医がいる。
彼女の暑中見舞いに、
「三坪の畑に青菜やソラマメ、葱などの野菜を作っている」
としたためてあって、私はニンマリと悦に入った。

婦人科系癌の専門医としてハードな生活を送る合間、
自宅の庭に出て、こまめに雑草などを抜いている彼女の姿は、
夫でなくても惚れ惚れするほどいい女に見えるに違いない。

この頃、断固として、
「結婚なんか」
と言い切る女が増えているのも、
家事、とくに台所仕事なんかメンドクサイからだそうで、
そういう人は本当に結婚しないほうが賢明だと思う。

きっと、夫は台所仕事よりメンドクサイ存在だろうし、
そういう女はやがて夫を、
「ぬれ落ち葉」だの「粗大ゴミ」だのと呼ぶ
無神経なオバハンになってゆくに違いない。



■LAの倅がおもしろいエントリを書いてますのでご参考までに。
  日米コンビニ比較論


■追記(選挙ネタ)

つくづく思うのだが、
戦後政治で使ってきたレッテルの一掃を考えなければいけない時期ですね。
例えば保守・自民党とか、革新的野党とか。
まあそれぞれ、人によって考え方が違うのだろうし、
レッテルを変えたくない人はいるのだろうが、
思考の慣性をいったい止めてリフレッシュする時じゃないかと思う。

保守政党がイノベーションに取り組んでいるわけで、
革新政党がそれに異議を唱えている。

考えてみれば、
社会主義は既に世界の多くの国で歴史の遺物になっている。
私の社会主義に対する基本的考え方は、
「人間を不幸にするに最適なシステム」というもので、
ベルリンの壁が落ちた直後の東ドイツ(当時)でつくづく思ったことだが、
日本にはまだ基本的に社会主義を理念とする政党が二つもある。
どう考えても、彼らは「保守」だ。
まあエドモンド・バーグは、「真の改革は保守にしかできない」と言った。

それにしても、各党の選挙スローガンが面白い。
自民党は「改革を止めるな」で、ハナから改革をうたっている。

民主党は、「日本を あきらめない」だそうだ。
このスローガンはある意味で笑える。
外国人投資家を中心に
日本の先行きに強気の見方が強まって株価が連騰している時に、
実は、あきらめかけていたのだろうか?
日本は既に外国人投資家からも、
国内の個人投資家からも「あきらめない」どころか、
「高く評価」されている。

社民党の選挙スローガンには、「改革」が登場する。
「国民みずして 改革なし」と。
そりゃそうだが、
この政党から何か現状を変えようと言う政策が
具体的に出てきたことはあまりないような気がする。
時代に何とかしがみついている政党であり、
とても革新の核になる政党とは思えない。

今回の選挙は、国民もレッテルとは別に、
それぞれの候補者、政党が何をしようとしているのか
よく考える必要がある。
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by leilan | 2005-08-12 10:26 | 俳句
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