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『俳句』  紅筆の穂のささくれや秋暑し

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            紅筆の穂のささくれや秋暑し  麗蘭






夏になると、ときに、生ビールの一杯が、
人心地をつけてくれることがある。

若い頃は、よく銀座六丁目のピルゼンに行った。
ピルゼンというのは大変古いビアホールで、
古色蒼然として愛嬌も素っ気もない。
学校の教室のような白木のきずだらけのテーブルが並んでいる。
そこのところが、気に入っていた。

ピルゼンは戦前から生き残ったと思われるビア樽が
三つか四つ並んでいて、
背の小さいお爺さんが、
注文があるとビア樽の栓を抜いて、
さあーっとジョッキに注ぎ入れ、
ご自分でえっちらおっちらテーブルまで運んでくれる。

泡に口をつけた瞬間、
「ああ、おいしい」
と私は言った。
そして、酢漬けのキャベツやソーセージをつまんだ。

生ビールは発酵度が問題であり、
ピルゼンは古い木製のビア樽に入れることによって、
その調節が温度の具合といい何といい大変よく出来ていた。

それに、あのお爺さんの栓の抜き方、
多分、あれがコツなのであろう。
泡の立て方がちょうどいい。

いろいろな職業の人が、
一見つまらないようなことにどんなに苦労するか、
ということを、ピルゼンのお爺さんから学んだような気がする。

お爺さんはとっくの昔に引退されて、
まあ、ピルゼンもいろいろさま変わって来ているし、
私の好きだった銀座もすっかり街の表情が変わってしまった。

暑い日の午後三時ごろ、あるいは夕方、
さっと一杯の生ビールをひっかけると、
これはクーラーとは違った涼感を誘ってくれる。

そういうところで、
おばあさんがこそっと(か、堂々か知らないが)
枝豆をつまみにジョッキをかたむけているのも、
銀座ならではの光景だった。

ずいぶん前のことだが、
本場ミュンヘンの有名なビアホール、
ホフブロイに一人で行ったことがある。

やさしそうなおばあさんの坐っているテーブルを見つけて、
「坐っていいですか?」
と私はドイツ語で訊いた。

彼女はにこにこしてうなずいている。

銀座のピルゼンと同じような白木の粗末なテーブルには、
少し頭のはげた小父さんと青年が坐っていた。

私はドイツ語は片言しか出来ないが、
大きいジョッキでみんなと乾杯し合い、
何とも言えず楽しい雰囲気であった。

銀座での修行が役に立った、と思った。


『俳句』  紅筆の穂のささくれや秋暑し_b0048657_184532.jpg



■追記(例によって選挙ネタ)

  毎日新聞のきょうの社説、鋭いツッコミ。
民主党は郵政問題で二つの疑問に答えてほしい。郵政民営化法案になぜ反対したか、その理由を明らかにする。第二に、将来郵政事業はどうあるべきかのビジョンを併せて示す。対案を示さなければ、民主党が他の問題でどんなに素晴らしい提案をしても、国民からは逃げていると見られる。

  小澤さんも岡田さんも郵政民営化には、本音の部分で賛成なんでしょうに。
  縁切りする時期じゃないのかしら?


■追記

  カネボウ化粧品:12万円の超高級クリーム販売へ
カネボウ化粧品:12万円の超高級クリーム販売へ

『俳句』  紅筆の穂のささくれや秋暑し_b0048657_19333364.jpg12万6000円の超高級クリーム、「センチュリー セルリズムSP」 カネボウ化粧品は、専門店向けの化粧品ブランド「トワニー」で、50歳前後の肌の手入れに関心が高い女性向けに、12万6000円の超高級クリーム「センチュリー セルリズムSP」を販売する。16日から9月30日まで予約を受け付け、引き渡しはクリームの必要度が高まる冬場の12月16日。約1万個の販売を見込んでいる。

 女性のホルモン低下などで衰えた肌の働きをケアするためのクリームで、数種類の和漢植物成分などを熟成した複合成分を含むという。香りにもこだわり、マダガスカル原産の希少性の高いランの涼やかな香りをつけた。

  50歳前後の肌の手入れに関心が高い女だけんど、こんなもの買わねぇ!
by leilan | 2005-08-13 18:04 | 俳句
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