新涼や夜風に吹かる無人駅 麗蘭
今回のハリケーン・カトリーナは、広いエリアに対する凄まじい天災になっている。もともと石油の掘削地域。地面全体が低下していたとも言われるし、海面より低い土地がかなりあったことが災害を大きくした。ハリケーンがたまたま人口密集地域を直撃したのもあまり例がないらしい。
湿地帯で、湖水・湖沼がこの地域に多くて、
水の制御を難しくしているようでもあったらしい。
CNNを見ていると、
「これがアメリカでの惨状か」と思う。
まるで、先の津波に完膚無きまでに叩きのめされた
スリランカとかインドネシアの海岸のように見える。
おまけに起きているのは、
大津波に見舞われたこれらの地域と同じような略奪。
アメリカは、もともと日本にないタイプの天災が多い。
野茂の投法の語源になったトルネード(竜巻)などは、
日本にはほとんどないタイプの天災だ。
ゆえに、多発地帯の民家は地下室を持つのが常識で、
「トルネードが来たぞーーーーー!」ということになれば、
あらよッと、みんなここに隠れるわけだ。
天災と呼ぶにはちと大袈裟だが、
ミシガン辺りにはゴルフボールのような雹が降ってくる。
かつて、これが私のおつむを直撃!
でっかい瘤ですんだからよかったものの、
打ち所が悪かったら死ぬよ~
それにしても、数千人の死者が予想されるとは。
神戸・淡路の地震の時もそうでしたが、自然の力は恐ろしい。
備えても備えきれない面がある。
そして、中国をも台風が襲い、
まだまだ人間の力の限界ばかりが目立つ。
■イラクの自衛隊
自衛隊のイラク派遣の理由は、
本音とタテマエがあるのだが、
本音の部分だけに話題を限定すれば三つある。
一つは日本の国益だ。
ぶっちゃけたはなし、中東の石油利権だ。
付随して、よその地域の石油や、
国際経済のなかでのポジションもあるが、基本的には石油利権だ。
二つ目は、アメリカとの信頼関係だ。
日米安保の信頼性といいかえてもいい。
これも、それに付随して、第七艦隊による核の傘の供与とか、
シーラインの確保とか、
東アジア外交のバックアップというものが考えられる。
三つ目が、イラクの安定だ。
安定と言っても、交戦権はもちろん治安維持活動もない軍隊は、
いるだけで不安定要素ではある。
飲料水の供給施設が完成して、
現地政府による運営が軌道に乗った現在、
この理由は消えたといえる。
おそらく最後まで残る理由は、
二つ目のアメリカとの同盟にもとづく理由だろう。
派遣をもくろんだ当初から、懸念されていた最悪の事態は、
イラクのベトナム化だった。
それはまぬがれたという意見と、
いまだに懸念が存在すという意見が並存している。
理想的には、イラク人による治安維持が機能することなんだろうが、
どのレベルで、それが撤退理由を満足させるのかの議論もあるだろう。
撤退は派遣の開始より難しいし、
常にその見通しを持っていなければいけない、
というのは正論であると同時に常識論でもある。
それができれば、最初から派兵なんて事態もないわけだ。
イラク人とアメリカ政府や世論と、
日本の国民を同時にみんな満足させる方策なんてものは、
最初から存在しない。
それぞれのバランスのなかで、
タイミングをはかることになるのだろう。