『俳句』  木犀の香の域にゐて子守唄

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           木犀の香の域にゐて子守唄  麗蘭






生まれて三ヶ月を過ぎていない赤ん坊を抱っこしたのは昨日のことだ。

母親が買い物の間、部屋で抱っこしていたが、
次第にぐずりだしたのでバスタオルを巻いてお外に連れ出した。

空は夕方の吸い込まれそうな青から藍。
腕の中でうっとりしてる赤ちゃんには、
とりとめのない夕方の空しか映っていない。

大人は見てる世界が全部空だと、
なんだか途中で負けて、
空じゃないものが混じる世界を見たくなるものだが、
赤ちゃんはてんで飽きないし負けない。

三ヶ月前はお腹の中にいたのだし、
その一年前はそもそもいなかったんだよね。

空っていう名前も知らない。
ただただ眺めている、空と呼んでいる空。
そこにいる赤ん坊。
空と赤ん坊は調和している。

そして部屋に戻るとぐすんぐすんするのだ。

もうお外は怖いよ。
真っ暗になっているよ。

そう言ってもまた外に連れて行ってとぐすんぐすん。

もう虫の音しか聞こえない、くらい道を、
ときどき、言葉のような声を出して、
ときに哲学者のような顔をして抱かれている。

ほら、虫が鳴いているね。


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by leilan | 2005-10-06 01:58 | 俳句
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