『俳句』  愛されずしてハナレイに虫鳴けり

b0048657_1839641.jpg

           愛されずしてハナレイに虫鳴けり  麗蘭






b0048657_13255218.jpg"ハナレイ・ベイ"
といえば村上春樹の "東京奇譚集" に収録されている短編小説だが、カウアイ島のノース・ショアにある、おそらく世界で最も美しい場所のひとつであろう。映画「南太平洋」の舞台にもなった。

この週末、その "ハナレイ・ベイ" へ行って来た。

出発は木曜の夜に、いきなり決まった。

金曜の早朝、急いでブログに妖怪人間をアップ。
二人分のお弁当をこしらえ、
わさわさと荷物を詰め、
ヘアをアップに結い、
顔をきれいきれいして、
コンドのロビーに降りると、
すぐに、リリー・アラモアナがやって来た。

彼女のレクサスでエアポートに向かうが、
ホノルルはバケツをひっくり返したようなドシャ降りの雨。
こんな雨で20人乗りの小型機は飛ぶのだろうか?
と心配だったが、
飛んだ!
大揺れだった(笑)



あれは、木曜日の夕方だった。
リリー・アラモアナから電話がかかってきて、
「れいちゃん、明日空いてる?」
というので、
「空いてないわョ~ どうしたの?」
と訊くと、
リリーがいきなり電話の向こうで泣きはじめた。

7年間連れ添った夫(アメリカ人・アングロサクソン)が、
家を出たというのだ。
彼に恋人がいるらしいことは聞いていたが・・。

夫はリリーよりも9歳若く、
現在は弁護士をしているのだが、
彼の今があるのは、ひとえにリリーの力だ。

ハワイ・ロウの三年間の学費は、
リリーの虎の子から出たものだったし、
その間の生活費もすべてリリーが稼いでいた。

かと言って、
リリーは尊大なところが全くない女だ。
アマゾン和子は、
「絶滅した大和撫子ここにあり」
と彼女を評した。

結局、リリーは優し過ぎたんだと思う。

昔、うちの祖母が言っていた。

「男に始終がみがみ言ってはダメ。
でも、野放しにしてもダメ。
一年に一度、どかんと雷を落とす。
それが一番効くの」

リリー夫妻は、
先週の金曜日が結婚記念日だったという。
毎年、その日には結婚式を挙げた
"ハナレイ・ベイ" で過ごして来たのだという。

しかし、今年は夫がいない。

「リリー、"ハナレイ・ベイ" へ行こう!
週末の予定はすべてキャンセルするから、
一緒に行こう!」



KAUAI島のことを、
"数十年前のハワイ" と呼ぶ人がいる。

北海道の4分の3の広さの島に、5万人の人口。
島全体が緑に覆われていて、大地は赤茶色。
波は豊富で、ビーチはゴールデン・サンド。

オアフやマウイよりも、もうド~ンと田舎。
ローカル色も強く、よりハワイアンを感じられる。

一昔前のハワイ(ポリネシアンの南国の楽園)のイメージが、
まだまだ残っている島だ。
南の島のジャングル遊びを楽しむには、最高の場所だろう。
こういう島がハワイ諸島に残っていてよかった・・・
素直にそう感じる。

「ジュラシック・パーク」 「レイダース」 「ハネムーン・イン・ベガス」
「アウトブレイク」「6デイズ&7ナイツ」 「南太平洋」 「ブルーハワイ」etc。
様々な映画のロケに使われたのも納得できる。

自然が豊富だ。

ハイウェイを北に向かって走る。
緑がどんどん濃くなってくる。
タロイモ畑が広がる風景が見えてくる。
古びた橋を渡ると、
そこからがHanalei。

モス・グリーンの山の裾野に広がる
エメラルド・グリーンのタロ芋畑。
反対側にはハナレイ・リバーが流れていて、
まるで1枚の絵のようだ。

バリのウブゥドもそうだけど、
こういう田舎の畑を見ると、
なぜか無性に懐かしい気分になる。

幼い頃の記憶のどこかにラップするのか、
はたまた人間のDNAに刻まれた緑に対する
遺伝子の反応なのか。

理由はともかく、目に栄養が行き渡る。

村上春樹はこの辺りが好きで、
プリンスヴィルに長期滞在して、
執筆活動をしていたこともあった。

余計なお世話だが、
村上春樹は大変だろうなぁと思う。

何が大変って、
かつてのように、

「チーズケーキのような僕の貧乏」
とか、
「スバルの鍵失くした」
みたいな、

ビンボー&とほほネタが使えなくなってしまった。

かと言って180度翻って、
成功ネタも難しい。

「ハワイに高級コンド所有してても、
メルセデスとポルシェ乗っていても、
書けないわよね~」

などと、下世話な憶測をする私。

リリーがちょっぴり笑った。



"ハナレイ・ベイ"
2005年、全米ベスト・ビーチ第三位、
ここは冬に本領発揮する場所なので、
今の時期、波はあんまりないかと想像していたが、
ハワイ一美しいとの呼び声の高い
ハナレイ・ベイの波が、
この悪天候のお陰で拝めた。

ハワイ諸島の中でもKAUAI島は一番北に位置するので、
冬のスウェルが最初にヒットする。
つまり、ハナレイ・ベイは、
冬のスウェルを大きいまま最初に楽しめる場所だ。

ただし・・・ここでは鮫がよく目撃されている!
もともと、KAUAIは海の宝庫と呼ばれるところ。
島のあちこちで出るらしい。

現に、我々の滞在中も、
ハナレイ・ベイでシャークアタックがあった!
それも8フィートのタイガー・シャーク。(ひえええぇぇぇ~)

それでも、動じず海に入るサーファーたち。
just stupid. (ただのバカ)



一度離れてしまった男の心を、
繋ぎとめることは出来ない。

それを、リリーはよく判っていた。

まんじりともしないで、
さまざまなことを語り合った三日間だった。


   別れきて檸檬に刃(やいば)入れにけり

   秋時雨そこだけ白き指輪痕(あと)

   天高し巷(ちまた)に男あまりをり

   
b0048657_15385156.jpg


b0048657_1540822.jpg


b0048657_15412359.jpg


b0048657_15415477.jpg


b0048657_15423721.jpg


b0048657_15434255.jpg


b0048657_15451697.jpg
[PR]
by leilan | 2005-10-24 16:15 | 俳句
<< 『俳句』  秋深む母には広くなりし家 『俳句』  ざくろ裂けし真昼の... >>


バッカスの神さまに愛されたい
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30
カテゴリ
以前の記事
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧