『俳句』  菊の香の匂ひほのかに花鋏

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            菊の香の匂ひほのかに花鋏  麗蘭




和田誠の「知らない町角」の中に、
横尾忠則と出かけたヨーロッパツアーの最中、
ビートルズを聴きたいという横尾に、

「へえ、あのチャラチャラしたバンドがいいの?」

と言う場面が出てくる。
ビートルズ来日2年前の頃である。

和田誠のこの言葉には驚いたが、
アメリカ文化にどっぷり浸かっていた
昭和10年生まれの和田誠に、
初期のビートルズは、
受け容れられなかったのかも知れない。

しかし、当時の若者はビートルズの虜だった。

音楽の世代で言うなら、
和田誠はフランク・シナトラを、
その次の世代、
たとえば昭和17年生まれの小泉純一郎が、
エルビス・プレスリーを特別視するように、
音楽に興味を持ちはじめた年頃に、
ラジオから流れていた曲は、
その世代を代表するミュージシャンなのだろう。


        何故か貧乏臭さが漂う小泉氏
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私は小学校の高学年頃から洋楽に親しみはじめたが、
やはり一発でビートルズの虜になった。
当時の日本はグループサウンズ全盛時代だったが、
王子様の格好をしたタイガースには興味がなかった。

ジョージ・ハリスンが死んだとき、
彼がジョンやポールの陰に隠れた存在のように書く記事が
新聞その他に溢れていたのが、なんだか意外だった。

少なくとも当時にそんな受けとめ方はなかったと思う。

後に政治的な活動でカリスマ色を強めるジョンとポールの
確執が明るみに出るようになってから、
後の二人の影が薄く見えるのかも知れないが、
ビートルズに関する限り、4人は対等だったように思う。

たとえば「イエスタディー」のコード進行と、
バッハの楽曲の類似などというように、
ビートルズの音楽性が云々されることは以前からもあった。

しかし、ヒッピームーブメントが起き、
アメリカには稀薄な精神世界をオリエントに求める動きが高まった頃、
ビートルズをリードしていたのはジョージ・ハリスンだった。

ラビ・シャンカールのシタール演奏も、
ジョージがいなければ、我々のところには届かなかったろう。

その後、ワールドミュージックなどという言葉で
一括りにされる非西洋音楽とポピュラーミュージックの融合は、
実はここに兆していたと思う。

リンゴ・スターのカントリー・アンド・ウエスタン好きも含めて、
4人の個性がうまく反応しあうことでビートルズは動いていた。

「サージェント・ペパーズ」
という稀有なLPを創造することが出来たのは、
4人組のビートルズが機能していたことを証明する。

しかし、その後の映画「レット・イット・ビー」などを見ると、
4人の関係が変わっていることにイヤでも気づかされた。

ジョン・レノンが銃弾に倒れたときはショックだったが、
ジョージ・ハリスンが死んだときは妙に悲しかった。

ジョージが死んで今さら何かが変わるわけではないのだけれど、
彼が象徴していたあの時代が、
確実に喪われてしまったという気がする。

イスラムのことやテロのことをよく考えるが、
いま、世界にあの頃のような平和への高まりはない。
我々は、どうもばらばらに孤立したままのような気がする。

「ALL THINGS MAST PASS」
ジョージのアルバムのタイトルが胸に沁みる。

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by leilan | 2005-10-31 22:52 | 俳句
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