『秀句鑑賞』
 
 難しき縁談と思ふコート脱ぐ  今井つる女

まさか自分の縁談ではないだろう。

自分のことにしては、
「難しき」なんていくら俳句とはいえ客観的過ぎる。
ということは、他人か自分の子供、といったところか。

しかし、自分の子供にしても、
どうも冷静過ぎるような気がするので、
ここは他人の縁談を世話した、
というシチュエーションで考えてみよう。

知り合いの娘さんに、良い人がいるから、とある男性を紹介した。
ところが、いざ二人を引きあわせてみると、
この縁談はどうも難しいような気がしてきた。
やっかいなことになったなあ、と帰宅してコートを脱ぐ作者。

これが自分の子供の縁談では、
話はもっと深刻になってしまい、
「コート脱ぐ」の季語が生かされないと私は思う。

他人のことだからこそ、
「面倒なことになった」と、
苦々しい顔でコートを脱ぐ様子がおもしろくなってくるのだ。

今井つる女は高浜虚子の姪にあたる。

子供の頃、小田原の風祭でつる女さんにお逢いしたことがあった。
当時、風祭に娘の今井千鶴子さんが住んでおられ、
そこにつる女さんはよく訪ねてこられた。
その隣家に伯母が住んでいたことがあって、
そんな事情で御目文字したのだった。
上品で美しいおばあさんだった。

(コート・冬)
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by leilan | 2005-12-09 02:28 | 秀句鑑賞
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