『秀句鑑賞』

 叱るほか言葉を知らず蜜柑むく  木村蕪城


優しさを上手に表わせない人がいる。
本当は溢れそうな愛情を、隠してしまう人。

大切な人と一緒にいて、好きで好きでたまらなくても、
けっして言葉や態度に出せず、
かえってぶっきらぼうに振る舞ってしまう。

親が子供に、夫が妻に、恋人が恋人に。
優しい言葉をかけたくても、身近な存在すぎて照れ臭い。

口調は叱っているようでも、心の中では心配しているのだ。

上手に表わせないもどかしさから、
つい蜜柑をむきはじめて。

(蜜柑・冬)
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by leilan | 2005-12-09 13:59 | 秀句鑑賞
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