『秀句鑑賞』
 
 凍蝶のふと翅つかふ白昼夢  野澤節子


女学校時代に脊椎カリエスを病み、
中退して長い間病にふせっていた作者は、
それゆえ自己の内面を見つめる冷徹な視点を持ち続けることができたと、
後に述懐している。

凍蝶は、冬の蝶のこと。
寒さゆえ、じっとどこかにとまっている蝶のことを、
まるで凍っているようだというのでこう表現する。

凍っているかに見えた蝶が、ふと羽を動かした。
そう思えたのは、あるいは夢だったのか。

この句を作った頃は完治していたようだが、
今の自分を白昼夢のようだと作者は意識下で感じていたのかもしれない。

生の一瞬一瞬は、いかなる人にも平等だ。

(凍蝶・冬)
[PR]
by leilan | 2005-12-12 16:53 | 秀句鑑賞
<< 『俳句』  蜜柑一つあにいもう... 『俳句』  ポインセチア夜のあ... >>


バッカスの神さまに愛されたい
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリ
以前の記事
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧