FOMC、0.25%の利上げを決定

FOMCは今回も0.25%の利上げを決定しながらも、
利上げ発表後の声明文を11月1日のそれとは大きく変えてきた。
最初に掲げるのは前回の声明文の第二と第三パラ。

Elevated energy prices and hurricane-related disruptions in economic activity have temporarily depressed output and employment. However, monetary policy accommodation, coupled with robust underlying growth in productivity, is providing ongoing support to economic activity that will likely be augmented by planned rebuilding in the hurricane-affected areas. The cumulative rise in energy and other costs has the potential to add to inflation pressures; however, core inflation has been relatively low in recent months and longer-term inflation expectations remain contained.
The Committee perceives that, with appropriate monetary policy action, the upside and downside risks to the attainment of both sustainable growth and price stability should be kept roughly equal. With underlying inflation expected to be contained, the Committee believes that policy accommodation can be removed at a pace that is likely to be measured. Nonetheless, the Committee will respond to changes in economic prospects as needed to fulfill its obligation to maintain price stability.

ここにある認識は、
「monetary policy accommodation」「policy accommodation」
などの表現に見られるように、
「現在は緩和状態である。だからそもそもその解除が必要」
という認識だった。

accommodation は、
「調整、宿泊所、資金の融通」などに使われる単語で、
金融政策で言えば「緩和状態」を指す。

今が緩和状態、または緩和が過ぎた状態であるから、
それを「can be removed at a pace that is likely to be measured」というような有名な表現で、「これからそれを予測できる形で、慎重に除去していく」となっていた。

それに対して以下に掲げるのが、
12月13日の今年最後のFOMCの後に発表された声明文の第二、第三パラ。

一番に気が付くのは「accommodation」という単語が使われておらず、
既に今の金融政策、政策金利が
「緩和的であるという認識はなくなっている」こと。

それはFOMCとして既に4.25%という短期金利水準が
今の経済環境に対して「中立的な範囲」にまで入ってきたと
認識していることを示している。

FF金利の水準はそこを目指してきた「中立地帯」に入っているので、
物価に対して何も圧力がなければ利上げはしなくても良いとも考えられるが、
エネルギー価格のさらなる上昇、
そして設備稼働率がさらなる上昇があれば物価圧力が増す可能性があり、
安定的経済成長と物価安定達成に対するリスクを
ほぼバランスの取れたものにするには、
さらなるmeasuredな(予測可能な形での慎重な)
利上げが必要になる可能性が高い」として、
以下のように声明している。

Despite elevated energy prices and hurricane-related disruptions, the expansion in economic activity appears solid. Core inflation has stayed relatively low in recent months and longer-term inflation expectations remain contained. Nevertheless, possible increases in resource utilization as well as elevated energy prices have the potential to add to inflation pressures.
The Committee judges that some further measured policy firming is likely to be needed to keep the risks to the attainment of both sustainable economic growth and price stability roughly in balance. In any event, the Committee will respond to changes in economic prospects as needed to foster these objectives.

この声明を素直に読むとこうなる。

「今回で13回目の連続0.25%利上げで、
アメリカの金融政策は緩和的(accommodative)と言える状況を脱して、
言ってみれば中立ゾーンに入ってきた。
だから、今までのような中立地帯目指して
機械的に0.25%の利上げを繰り返すことはもうない。
しかし今は遊休施設に余裕のない稼働率が高い状態であり、
またエネルギー価格も上がっているので
利上げをしなければ継続的経済成長や
物価の安定が危険にさらされる可能性が高い。
だから利上げはまだ必要となるだろうが、
その後は利上げしないかも知れない」と。

これには市場で二つの反応があり得る。
「なんだまだ上げるのか」と
「そうは言っても先は見えたな」だ。
外国為替市場は前者の解釈を取り、
株式市場は後者の解釈を取ったように見える。
今後はまた分からないが。

13日のニューヨークの市場は、
為替が120円がらみ、1.19ドル台で終わり、
株はダウで55ドルほど上げて終わった。

素直な感想を言うと、FOMCの利上げはあと1~2回ということでしょうか。
まあ1月は設備稼働率とエネルギー価格の下落がなければやる。
つまり4.5%にFF金利を持って行く。
しかしその後は状況を見ながらということです。

だから、バーナンキが最初に迎える来年3月28日のFOMCは、
大変な思惑集中の、「あるのか、ないのか」のFOMCになる。

形を変えても「measured」という言葉を残したと言うことは、
来年1月のほぼ確実視される利上げ、
もしかしたらあるかもしれない3月の利上げも、
利上げ幅は0.25%になるということです。

FRBがFOMC後の声明文に「measured」という単語を入れ始めたのは、
ウォール・ストリート・ジャーナル紙によれば2004年の5月。
その時のFF金利誘導目標は1%だった。
思えば長い道を来たものだ。
米短期金利はもう「中立地帯」。
いずれにせよ、
日本が来年の春に量的金融緩和の解除を議論する頃に、
アメリカの金融政策における非常に異常な期間としての連続利上げ、
13回FOMC連続は途切れることになる。
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by leilan | 2005-12-14 05:14 | 浮世草子
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