『秀句鑑賞』

 窓の雪女体にて湯をあふれしむ  桂 信子


作者三十代の句。

女盛りの白い裸身が、浴槽の湯をざあっと溢れさせている。

外は雪。
この暖寒の対比から見えてくるのは、
作者の己が肉体への執着である。

女には己の肉体の盛りがわかるのだ。
翻って男はそういうことはあまりこだわらずに生きてしまうものであろう。

女は片時も、自分に肉体があることを忘れては生きられない。
現実に、少女になって月経がはじまり、
子宮から血を流すために苦しみ、乳房をはらせ、神経をも高ぶらせる。

浴槽の湯に、手も足も胸も腰もゆったりとゆだねる「女体」。

雪によってあらゆるものから隔絶されたそこで繰り広げられるしぐさの、
何と優雅で、豊満なことよ。

遠くない昔まで、女は男より後に風呂に入り、
そんなに満々とした湯は体験出来なかったことを考えると、
そこにある意味が出てくる。

(雪・冬)
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by leilan | 2005-12-16 17:02 | 秀句鑑賞
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