『秀句鑑賞』

 橇がゆき満天の星幌にする  橋本多佳子


途方もなくスケールが大きく、かつ見事に美しい情景だ。

童話の挿絵が作者の脳裏にあったのかもしれない。

見渡すかぎりの雪原、
そのなかを「満天の星」を「幌(ほろ)にして」行く橇。
息をのむように美しいシルエットの世界だ。

実景というよりも、幻想に近い。
いや、実景を幻想にまで引き上げた句と言うべきか。素敵だ。

遠望している作者の耳には、
おそらく鈴の音も聴こえていることだろう。

表現力のマジックを思う。
ロマンチスト・橋本多佳子、さすがのものである。

これが、明治32年生まれの女性の句ということに、今更ながら驚く。

(橇・冬)
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by leilan | 2005-12-25 08:30 | 秀句鑑賞
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