顔上げよつららがつらら着る夜も 櫂未知子
つららがつららを着る。
一度あたたかい日差しで溶けかけたつららが、
また厳しい寒さで凍ってしまう。
厳しい状況が続いていながら、
そんな夜でさえも顔を上げよと櫂未知子はいう。
毅然とした作者の横顔が見えてくるようで、
なかなかこちらも気構えさせられる。
しかしわたしは「寝てしまえ」派だ。
何をしていいのかわからないくらい厳しい状況に陥ったときは、
なにもせずに寝る。
そのうち、周りが勝手に変わっていく。
みんな、そろそろゆるりと肩の力を抜いてみようよ、
と声をかけてみたくなった。
(つらら・冬)