『秀句鑑賞』

 ストーブにビール天国疑はず  石塚友二


楽しさを開けっぴろげにした句。
「ビール天国」ではなくて、「ビール」と「天国」は切れている。

句意の説明はいらないだろう。
ことに、ビール好きの面々なら、思わずニヤリだ。
入浴の際に「ああ、ゴクラク、ゴクラク」と言うが如し。

天国ってのは、きっとこんな楽しいところなんだろう。
酒はうまいしネエチャンは綺麗だと、歌にもうたわれている。
無邪気に納得している作者のはしゃぎぶりがよく伝わってきて、
ビール好きの私には嬉しい句だ。

ただ、こういう句の評価は低いでしょうね。
「ひねり」がない。
屈託がない。
ついでに言えば、馬鹿みたいと。

どうも俳壇ではこうした明るい表現に点が辛い。
喜怒哀楽の「怒哀」ばかりが肥大して、
人間の捉え方が異常なほどにちぢこまってしまっている。

もっともっと野放図に放胆に明るい句はたくさん作られるべきで、
その積み重ねから「喜楽」に対する表現技術も磨かれてくる。

(ストーブ・冬)
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by leilan | 2006-01-18 17:34 | 秀句鑑賞
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