『俳句』  新庄剛志と誕生日が一緒だ!(笑)

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    アインシュタイン舌出してゐる誕生日


    満ち引きの海のゆりかご牡蠣そだつ


    寒燈や声出して読む唐詩選


    雪止んでどれみふぁそらが晴れ上がる


    亡き祖母の記憶の中の雁木かな


    海光に抱かれにゆく冬の蝶


    霜の夜やとろ火にかけし林檎ジャム


    笹鳴の間近に朝の厠かな


    花枇杷やヒルトンホテル暮れなづむ


    彼の歳一つ近づく誕生日



■少し元気のないときは


愛読書の「富士日記」を読む。

昭和46年1月2日、

  ・・・・・管理所へ行って新年の挨拶をしていると、
  五十年配の紳士が怒気を含んだ顔で入ってくる。
  西洋の山の映画に出てくるようなハイカラな格好をしている。

  「うちの前に赤いサニーがとまって猟銃を持った男がおりた。
  ガードマン、チェックしておきたまえ。禁猟区だろう、ここは。
  危険きわまりない。クセになる」

  と管理所の人とガードマンに言っている。

  私は、そうだ、そうだ。うんと言ってくれなくちゃ。
  この人は言い方がうまいなあ。
  颯爽としている。
  こういう風にいわなくちゃダメなんだなあ)と感心していた。

  そのガードマンの車は水が凍結して、
  熱湯を入れたらエンジンにひびがいっていて洩れてきて、
  皆で代わる代わる覗き込んでいるところだった。・・・・・

「冨士日記」を開けば、元気でかわいい百合子さんにいつも会える。

ご主人の武田泰淳さんはこんなにうまく抗議できない人だったし、
さて私はと言えば、抗議ということが苦手だ。

たまに抗議しなければならない場面に遭遇しても、
こんなこと言ってもいいのかなと、これがからきしだらしない。
相手も大変なんだから仕方がないと思ってしまう。

三十数年前の夏の日、私は新橋で都営バスを待っていた。
隣には赤ちゃんをおんぶした若いおかあさんがいた。
暑い日盛りで、おかあさんは日傘をさしている。

そこへ派手なキャデラックが停まったと思いきや、
もの凄い勢いで飛び出してきたアロハシャツのおっかない人が、
いきなり、若いおかあさんを怒鳴り出したのだ。

「てめえ、母親のくせして、何やってんだよー!
 背中のガキがかわいそーじゃねえか、コノヤロ!」

とかなんとか怒鳴って、
母親の日傘をぐいっと後ろに傾けたのだ。
そして、赤ちゃんの夏帽子のズレを直してやり、

「赤ん坊はナァ、親が守ってやんにゃきゃナ!」

と言い残して、颯爽とキャデラックで去って行ったのだった。

あれから幾年、
あんな慈愛に充ちた抗議を、私は見たことがない。



    
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by leilan | 2006-01-29 11:29 | 俳句
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