俳句  天然水秋の国から届きけり
   天然水秋の国から届きけり


チンザノを
<しぃんさの>とあのひとは涼しげに発音した
そんな読み方がぴったりの
濁りのないきれいな目をしたひとだった
小雨のチベレ川に
鈴懸の葉がしきりに降りそそぎ
レストランの窓ぎわで
わたしたちはだまってそれをみつめていた

わたしたちの間は恋にはならなかった
お水のかわり
毒草くさい果実酒をすこし
飲み合っただけだ
しんしんと水嵩ますさみしさを
二つのコップにわけ合っただけだ

ローマはもう晩秋だった
あちこちの教会で鐘が鳴った

      (新川和江 Cinzano)
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by leilan | 2004-10-28 17:00
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バッカスの神さまに愛されたい
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