2005年 01月 19日 ( 1 )

俳句  鳴くといふ砂鳴ひてをり冬の浜
入院のあさ寒梅のよく匂ふ

鳴くといふ砂鳴ひてをり冬の浜

雪催むかし廓の五番町


越後のちりめん問屋のご隠居が、
実は水戸のご老公であったり、
遊び人の金さんが、
実は江戸町奉行の遠山金四郎景元だったり、
主人公が本来の姿とは異なる低い身分に<身をやつす>劇は、
歌舞伎では<やつし>と呼ばれるものだ。

こういった役柄は、
氏素性がよいために身をもちくずしても気品があり、
みすぼらしさとはアンバランスな、
鷹揚さを感じさせるところにポイントがある。

ま、そこで女心は、
「あんな素敵な人が身近にいてくれたなら」
という具合にくすぐられてしまう。

歌舞伎の確立期、
元禄年間には大物役者がきら星のごとく現れたという。
そうした動きのなかで、
<西の和事、東の荒事>
といった京・大坂と江戸両地域の特徴が生まれる。

和事とは廓に通う客と遊女の世俗的な芝居、
荒事は超人的な力をもつヒーローの活躍する芝居である。

坂田藤十郎はその上方和事のさきがけとされる色男役者だ。
彼の確立した芸は、当時<色事やつし>と言われた。

若殿、若旦那など育ちのよい人物が、
遊女に入れ揚げたために身をもちくずし、
編み笠に紙の衣服で現れるのが基本的なパターン。

それを、周りの遊女や家臣、手代などが犠牲になりながら、
本来の立場に戻してくれ、めでたしめでたしとなる。

この<やつし>が、
その後の歌舞伎、時代劇の主要な表現方法となった。
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by leilan | 2005-01-19 20:35


バッカスの神さまに愛されたい
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