2006年 01月 12日 ( 2 )

『秀句鑑賞』

 逢ひにゆく息の白さにおどろきし  加藤三七子


恋する炎はたとえどんなに寒い冬でも燃え上がる。
誰にも消すことはできない。

でも、大好きな人に会いに行く途中、
自分の吐いた息の白さに思わずびっくりしてしまった。

こんなに寒いのに、どうして私は飛び出してきたんだろう。
今夜会わなくたって、明日でもよかったのに。

でも、恋にためらいは禁物だ。
会いたい、と思った瞬間を逃してはならない。
あの人のもとへ走り出しているこの時は、
息の白さすら愉快に思えるのだ。

(白息・冬)
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by leilan | 2006-01-12 20:53 | 秀句鑑賞

『俳句』  身から出ました錆ゆえに 

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    星空にネリカンブルース息白し


    ずわい蟹外反母趾を疑へり


    煮こごりを踏んでしまひし孤独かな


    寒の雨摩天楼より垂直に


    山茶花の裏であやとりひそやかに


    極寒や板かまぼこの正義感


    ハイハイと手を上げて来る寒波かな


    新海苔や二三が六のにぎり飯


    寒月や標本室のデスマスク


    一月の頭痛の種に水をやる




深沢七郎著『生きているのはひまつぶし』読了。

「動物の中で人間が一番バカで悪いヤツ」のくだりから。
 
  日本人の人口が増えた方がよいというのは、みんな悪いヤツが言うこと。
  人に働かせて、自分はのうのうと暮らそうとしている。
  子どもが増えれば、奨励金をやる、というのは悪いヤツ。
  労働力を増やすためにそういっているだけ。

  自然淘汰にまかせるのが一番。
  戦争、洪水、病気、自殺は自然淘汰だよ。
  人が増えると、困るから。

1987年に没した深沢七郎が、18年前に残した言葉だ。
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by leilan | 2006-01-12 20:28 | 俳句


バッカスの神さまに愛されたい