2006年 01月 26日 ( 2 )

『俳句』  はらぺこスパゲッティ

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    大寒やウルトラマンが胸を病む


    読みさしのページにみかん雨催ひ


    ミスハワイ準ミスハワイ赤マント


    牡丹雪海あり見えぬ重たさよ


    立ちすくむほどの青空ゆりかもめ


    寒泳の重き乳房を抱へ出づ


    蝋梅や銀座で買ひし旅鞄


    寒雀きてゐるらしき縫ひいそぐ


    初手紙国を難ずること易し


    春を待つ薬罐の上にふきんのせ




■はらぺこスパゲッティ

うちの食卓には、
週一くらいのペースでスパゲッティが登場する。

トマトソースやミートソースは、
時間のあるときに作りおきして冷凍庫へ。
こうしておくと、ものの15分もあれば口の中に入る。
というわけで、はらぺこのときはスパゲッティ様様。

さっき帰宅して、
例によって、はらぺこスパゲッティを食べていたら、
ふと思い出した映画があった。
「マーサの幸せのレシピ」というドイツ映画。

ハンブルクにあるフランス料理店の女性シェフ、
マーサは独身で恋人もなく、お料理だけが生きがい。
その腕前には絶対的な自信を持っている。

お客さんが料理にケチをつけようものなら、
厨房から飛び出して客席まで文句を言いに行くほどだ。

ところが、ある日突然、姉が交通事故で死んでしまい、
姪っ子リナを引き取ることになったマーサ。
リナはなかなか心を開いてくれない。

加えて、マーサが休んでる間に、
知らないイタリア人のシェフが雇われている。

マーサの心はからからに乾いてしまう。

でもここから素敵なレシピがはじまるのだ。

リナとの心の距離がだんだんと近づくに連れ、
気に入らなかったイタリア人シェフにも心を許していくマーサ。

このイタリア人マリオがとってもいい人だ。
陽気で、周りを楽しませるのが得意。

母親を亡くしてものを食べなくなった少女リナの前、
マリオが「賄い」で自分用のスパゲッティをつくる。
ごく雑駁なスパゲッティで、大盛りになって湯気をたてている。

それを、ズルズルと音をたてて豪快に食べている途中、
ふと用事を思い出した思い入れとともに、
皿を少女に預けて一言。

「ちょっとくらいならいいけど、全部食うなよ、オレんだから」

もちろんリナはあんまりおいしそうだから一口すすって、
やめることができず、全部食べてしまう。

そしてふたたび子供らしく生きるきっかけをつかむという、
とっても素敵な場面。

いやあ、なんともうまそうなスパゲッティだった。


   くるくるとパスタさらって四月馬鹿


    
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by leilan | 2006-01-26 14:17 | 俳句

『秀句鑑賞』

 寒星や出した手紙はまだポスト  内田美紗


夜のポストに手紙を投函し、その夜、
星を見上げて手紙を出した相手を思っている。
その相手への手紙はまだポストの中。

中学生のとき、
同級生の尚子ちゃんから電話がかかってきた。

恋文をポストに投函したものの、
文中に気になる箇所があって取り戻したい、
なんとかならないだろうか、と言うのだ。

え?
ポストから取り返したいの?

尚子ちゃんは翌朝ポストの前で集配を待った。

私は、担任の先生に嘘つく係り。
尚子さんは歯医者に寄ってから登校するそうです、なんて。

集配担当のおじさんがやってくる。
必死にお願いする尚子ちゃん。

いったん投函したものは返せないんだよね、
と、けんもほろろの郵便局おじさん。

ところが、このおじさんが融通無碍な御仁であった。

尚子ちゃんが差し出した生徒手帳をチェック。
恋文を探してくれたという。

彼女の恋は実らなかったが、
その相手は、いまや押しも押されぬ歌舞伎の花形役者になった。

(寒星・冬)
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by leilan | 2006-01-26 14:14 | 秀句鑑賞


バッカスの神さまに愛されたい
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