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『俳句』  浮寝鳥    

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    焦げくさくなるまでひとり日向ぼこ


    冬の雨きりんの長き首つたふ


    ウォールストリートジャーナル三面からの浮寝鳥


    いと小さき風を捉へて冬の草


    大桟橋出船入船春隣


    浅き春モナリザ何処も見てをらず


    海鼠腸に箸をよごして酒一合


    病む人を笑わせにゆく四温かな


    冬ぬくしひとり喋ってゐるインコ


    冬終る美容体操して痩せず



■へそ曲り投資法

今、世界の市場はどう見ても「流動性過多」だと思う。

中国の貯蓄率は35%にも達するという。
たぶん、社会保障がないためなのだろう。
それが中国の巨大な対外収支黒字・外貨準備を生む一因になっている。

こなたアラブ産油国には使い切れないほどの資金が集まっている。

そして、過去貯蓄に回った日本の資金は、明らかに動き始めている。
加えて、短期と同じように長期の金利も低い。

資金は集まり、そして散る。
集まるところで相場は上がり、
それが一段落すると急落するという展開。

今年はそれがあちこちの市場で繰り返されると思う。
流動性の高い状況が続くからだ。

その中でも、下げはきつくなる。
下げの方が恐怖が主導する市場になるからだ。
上げには理が伴うが、下げには恐怖が伴う。

昨年からの市場を見ていると、下げのペースが方がはるかに早い。
相場の上げ流れの最後に参加する人にとっては厳しい状況が続く。

どうすればいいかはもう明確だ。
騒がれ始めた市場には、目もくれないこと。

今年の株式運用の成功の秘訣は、アクシデントで落ちた所を拾う。
それ以外は無理せずにオプションなどでお茶を濁す。

今年はへそ曲がりでいこう、ということでおやぢさんと合意。
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by leilan | 2006-01-31 18:31 | 俳句

『秀句鑑賞』

 水仙や束ねし花のそむきあひ  中村汀女


日だまりの中、水仙がかたまって咲いている。

よくよく見ると不思議な花で、
茎がくいっと折れ曲がって横向きに咲いている。

切り花としても見かけるが、
それを束ねて持ったらたがいにそむきあったという、それだけの句。

だが、そのことを発見して、言葉で表現したところに詩が生まれたのだ。

「なんだ、それだけのことか」と思わせる自然な句が、
実は一番すごいのではないか、と思う。

普段、何気なく見過ごしているあらゆる瞬間に詩があるのだとしたら、とても楽しい。

(水仙・冬)
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by leilan | 2006-01-31 17:49 | 秀句鑑賞

『俳句』  ジプシーの弾くヴァイオリン

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    一葉だにもたず咲き長け寒桜


    日向ぼここの世にかかる刻ありて


    遥かなる姦通罪も旧正も


    寒月や運河をわたる水の皺(しわ)


    春近し鬱捨てる日は海へゆく


    村の子は空手チョップでつらら折る


    雪しづか鏡にうつし理髪店


    電柱に冬日「ますらを派出婦会」


    風花はつかめぬ夢のごとく舞ふ


    「美少年」飲み田原坂冬うらら




寒月やジプシーの弾くヴァイオリン

今月も終ろうとしている。
風邪という絶不調ではじまったこの一月。

それにしても、よく俳句を作った。
数えてみたら、のべ21日にわたり毎日十句を完遂。
ここまで、己れを inspire できたものはなんだろうか。

このブログに集う人たちの中から、
自分も俳句を作ってみようという人が出てきた。
ところが、俳句というものは見るのと作るのとでは大違い。
最初は誰もがうまく作れない。

ボウルさん、たまごさん、六尺さん、しんいちろうさん、
もうみんなが唸り、歯噛みしながら俳句を作りはじめた。

私にも初心者の時代があったので、
彼等の苦しみが手に取るように判る。
長女的性格ゆえ、それが可哀想で見ていられない。

何事によらず、苦しんでいる人を見過ごすことができない性格だ。
私に子供がいたら、さぞや打たれ弱い子になっていただろう。

しかし、その苦心の一句を、私は容赦なく斬りつけた。
基本を身につけさせるのが私の役目だと思っていた。
本音を申せば、斬りつけたときは後味がわるかった。

コメント欄を拝見すると、
この四名は互いに励ましあっていて、
誰かが秀句を詠むと、それが発奮ともなるらしかった。

私は結社にも属さず、
在外邦人ということもあって句会に出ることもままならい。
独りで黙々と句作を続けてきたが、
彼等四人の遣り取りを拝見していて、
仲間がいることの大切さを改めて感じたりもした。

彼等の俳句のために自分は何をしてあげられるのか、
このお正月、風邪でぼんやりした頭で考えていた。
まずは、句作の参考になればと、
日々の俳句をアップしてみることにした。

去年までは、その日に作った俳句の中で、
いちばん気に入ったものをアップしてきたが、
本来なら捨ててしまうような俳句も、
今月は思い切って載せてみることにした。

このブログを見てくださるのは、
「占う女」の存在を知っている一部の友人と
コメントしてくださるブログのお仲間だが、
実はそのほかに名も知らぬ多くの方々がいらして、
その中に俳句の達人がいたりしたら恥ずかしいな、
そんなことを心配しながらの一ヶ月であった。

限られた時間での毎日十句であるから、
自宅のあちらこちらにメモ用紙を置いて、
シャワーを浴びながら一句、
お料理しながら一句、
果ては、夢の中でも俳句を作っていた。

 おお! いい句じゃないの!

と、夢の中で快哉を叫んでいたが、
でも、これは夢なんだよ、起きたら忘れているのだよ、
そう夢の中で思っているのだからクレイジーだ。

毎日十句はなるべく続けていきたいが、
来月から忙しくなる予定なので毎日は無理かもしれない。
アップできない日があったら、それはご勘弁ください。

さて、この「占う女」も画像容量がいっぱいいっぱいになってきた。
毎月些少のお金を払えば、このまま継続できるようだが、
ネット上に自分のクレジット・カード番号をさらすのが怖いので、
2月4日立春から、新しいブログを開設する予定。

この一ヶ月、駄句変句をお読みいただきまして、
大変ありがとうございました。



■1/31(火)、メンテナンスのためサービスを一時停止


だそうです。

2006年1月31日(火曜日)未明よりサーバーの緊急メンテナンスのため
エキサイトブログのサービスを一時停止いたします。
これにより、エキサイトブログにアクセスができなくなります。

期日:2006年1月31日(火曜日)
時間:1:00AM~10:00AM(最長9時間)
内容:サーバーのメンテナンス





    
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by leilan | 2006-01-30 14:15 | 俳句

『秀句鑑賞』

 セーターにもぐり出られぬかもしれぬ  池田澄子


わかるなぁ、この感じ(笑)

私は根が「おっかながり」なので、毎回こんな不安がある。
子供のころは特にこんなふうで、セーターを着るのが億劫だった。
脱ぐときも、また一騒ぎ。

セーターに頭を入れると、本能的に目を閉じる。
真っ暗やみのなかで、一瞬もがくことになるから、
余計にストレスを感じることになるのだろう。

取るに足らないストレスかもしれないが、
こうやって句を目の前に突きつけられてみると、
人間の哀れさと滑稽さ加減が身にしみる。

頭から被って着る衣服は今も苦手。

池田澄子の俳句には、
こうした俳句的発見が随所にちりばめられていて実に興味深い。

 泉あり子にピカドンを説明す

この句など、アナグラムで「泉ピン子」が内在しているのだが、
それは単に私だけがそう思っているだけで、
戦争体験者としての思いが込められた一句である。

この方の句を見つけると、
うれしくてノートに書きとめてしまうほど、好きな俳人の一人。

(セーター・冬)
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by leilan | 2006-01-30 14:10 | 秀句鑑賞

『俳句』  新庄剛志と誕生日が一緒だ!(笑)

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    アインシュタイン舌出してゐる誕生日


    満ち引きの海のゆりかご牡蠣そだつ


    寒燈や声出して読む唐詩選


    雪止んでどれみふぁそらが晴れ上がる


    亡き祖母の記憶の中の雁木かな


    海光に抱かれにゆく冬の蝶


    霜の夜やとろ火にかけし林檎ジャム


    笹鳴の間近に朝の厠かな


    花枇杷やヒルトンホテル暮れなづむ


    彼の歳一つ近づく誕生日



■少し元気のないときは


愛読書の「富士日記」を読む。

昭和46年1月2日、

  ・・・・・管理所へ行って新年の挨拶をしていると、
  五十年配の紳士が怒気を含んだ顔で入ってくる。
  西洋の山の映画に出てくるようなハイカラな格好をしている。

  「うちの前に赤いサニーがとまって猟銃を持った男がおりた。
  ガードマン、チェックしておきたまえ。禁猟区だろう、ここは。
  危険きわまりない。クセになる」

  と管理所の人とガードマンに言っている。

  私は、そうだ、そうだ。うんと言ってくれなくちゃ。
  この人は言い方がうまいなあ。
  颯爽としている。
  こういう風にいわなくちゃダメなんだなあ)と感心していた。

  そのガードマンの車は水が凍結して、
  熱湯を入れたらエンジンにひびがいっていて洩れてきて、
  皆で代わる代わる覗き込んでいるところだった。・・・・・

「冨士日記」を開けば、元気でかわいい百合子さんにいつも会える。

ご主人の武田泰淳さんはこんなにうまく抗議できない人だったし、
さて私はと言えば、抗議ということが苦手だ。

たまに抗議しなければならない場面に遭遇しても、
こんなこと言ってもいいのかなと、これがからきしだらしない。
相手も大変なんだから仕方がないと思ってしまう。

三十数年前の夏の日、私は新橋で都営バスを待っていた。
隣には赤ちゃんをおんぶした若いおかあさんがいた。
暑い日盛りで、おかあさんは日傘をさしている。

そこへ派手なキャデラックが停まったと思いきや、
もの凄い勢いで飛び出してきたアロハシャツのおっかない人が、
いきなり、若いおかあさんを怒鳴り出したのだ。

「てめえ、母親のくせして、何やってんだよー!
 背中のガキがかわいそーじゃねえか、コノヤロ!」

とかなんとか怒鳴って、
母親の日傘をぐいっと後ろに傾けたのだ。
そして、赤ちゃんの夏帽子のズレを直してやり、

「赤ん坊はナァ、親が守ってやんにゃきゃナ!」

と言い残して、颯爽とキャデラックで去って行ったのだった。

あれから幾年、
あんな慈愛に充ちた抗議を、私は見たことがない。



    
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by leilan | 2006-01-29 11:29 | 俳句

『秀句鑑賞』

 冬ざれのくちびるを吸ふ別れかな  日野草城  


冬の寒さに乾燥してかさかさしたくちびる。
それが「冬ざれのくちびる」だ。
昔は乾燥防止用のメンタムリップなどなかった。

この句の中の人物は、
まだ皸(あかぎれ)やひび割れがあった時代の人物。
冬ざれのくちびるに触れる痛々しさがこの句の命だ。

今日の草城の句は第一句集『花氷』から引いた。
この句集は1927年、草城27歳のときに出た。

 初雪を見るや手を措く妻の肩

 雪の夜の紅茶の色を愛しけり

 白々と女沈める柚子湯かな

575音の言葉が鮮明な世界を構成している。

当時の草城にはまだ妻はなかったが、
俳句の世界を構成するために妻が幾度も登場した。

ちなみに今日は草城忌。

(冬ざれ・冬)
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by leilan | 2006-01-29 11:18 | 秀句鑑賞

『俳句』  滅びゆくもの

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    女てふ生ぐさきもの冬の雨


    かいつぶり愛されてゐて滅びゆく


    おしくらまんぢゅう押されて泣いた枯野かな


    春隣午後の紅茶にジャム入れて


    東京は水の都の冬霞


    わたくしが転んだところ竜の玉


    風花やビルに黒人硝子拭く


    耳袋して母親に従はず


    靴磨き舗道の枯葉手で掃くよ


    焼きたてのパン匂ふ朝三冬尽く



■至福

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夕方のひととき、
赤ちゃんを預かった。

寝っ転がって、
胸の上に赤ちゃんを乗せベタベタする。

おっぱい探しながら、
フガフガいうのがかわいんだわ。

目下、一番のお気に入りは「カエルの歌」
もう、歌い出しから「ゲロゲロゲロ」のところを期待しまくって笑ってる。

同じゲゲゲでも鬼太郎の歌では反応が薄い。


ねむるのは
ねむいから
おきるのは
ねむったから
ねむるというのはね
こうしてよこになって
おはなしもしないで
ふがふがって
目をつむっていること
じゃちょっとねむってみるから
見ててね
・・・・・・・・・・・
見てた?


嗚呼
世界はここで完結する。


 もみぢの手むすんでひらいて眠りをり


    
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by leilan | 2006-01-27 19:30 | 俳句

『秀句鑑賞』

 妃殿下がおでん喰ふとき口四角  辻征夫


b0048657_18584877.gif西東三鬼の「広島や卵食ふとき口開く」のもじりだが、
「妃殿下」と「おでん」の取り合わせは意表を突き、妙におかしい。
専門俳人には絶対につくれない作品。

なにものにもとらわれない、けなげな遊びのたまもの。

(おでん・冬)
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by leilan | 2006-01-27 18:59 | 秀句鑑賞

『俳句』  はらぺこスパゲッティ

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    大寒やウルトラマンが胸を病む


    読みさしのページにみかん雨催ひ


    ミスハワイ準ミスハワイ赤マント


    牡丹雪海あり見えぬ重たさよ


    立ちすくむほどの青空ゆりかもめ


    寒泳の重き乳房を抱へ出づ


    蝋梅や銀座で買ひし旅鞄


    寒雀きてゐるらしき縫ひいそぐ


    初手紙国を難ずること易し


    春を待つ薬罐の上にふきんのせ




■はらぺこスパゲッティ

うちの食卓には、
週一くらいのペースでスパゲッティが登場する。

トマトソースやミートソースは、
時間のあるときに作りおきして冷凍庫へ。
こうしておくと、ものの15分もあれば口の中に入る。
というわけで、はらぺこのときはスパゲッティ様様。

さっき帰宅して、
例によって、はらぺこスパゲッティを食べていたら、
ふと思い出した映画があった。
「マーサの幸せのレシピ」というドイツ映画。

ハンブルクにあるフランス料理店の女性シェフ、
マーサは独身で恋人もなく、お料理だけが生きがい。
その腕前には絶対的な自信を持っている。

お客さんが料理にケチをつけようものなら、
厨房から飛び出して客席まで文句を言いに行くほどだ。

ところが、ある日突然、姉が交通事故で死んでしまい、
姪っ子リナを引き取ることになったマーサ。
リナはなかなか心を開いてくれない。

加えて、マーサが休んでる間に、
知らないイタリア人のシェフが雇われている。

マーサの心はからからに乾いてしまう。

でもここから素敵なレシピがはじまるのだ。

リナとの心の距離がだんだんと近づくに連れ、
気に入らなかったイタリア人シェフにも心を許していくマーサ。

このイタリア人マリオがとってもいい人だ。
陽気で、周りを楽しませるのが得意。

母親を亡くしてものを食べなくなった少女リナの前、
マリオが「賄い」で自分用のスパゲッティをつくる。
ごく雑駁なスパゲッティで、大盛りになって湯気をたてている。

それを、ズルズルと音をたてて豪快に食べている途中、
ふと用事を思い出した思い入れとともに、
皿を少女に預けて一言。

「ちょっとくらいならいいけど、全部食うなよ、オレんだから」

もちろんリナはあんまりおいしそうだから一口すすって、
やめることができず、全部食べてしまう。

そしてふたたび子供らしく生きるきっかけをつかむという、
とっても素敵な場面。

いやあ、なんともうまそうなスパゲッティだった。


   くるくるとパスタさらって四月馬鹿


    
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by leilan | 2006-01-26 14:17 | 俳句

『秀句鑑賞』

 寒星や出した手紙はまだポスト  内田美紗


夜のポストに手紙を投函し、その夜、
星を見上げて手紙を出した相手を思っている。
その相手への手紙はまだポストの中。

中学生のとき、
同級生の尚子ちゃんから電話がかかってきた。

恋文をポストに投函したものの、
文中に気になる箇所があって取り戻したい、
なんとかならないだろうか、と言うのだ。

え?
ポストから取り返したいの?

尚子ちゃんは翌朝ポストの前で集配を待った。

私は、担任の先生に嘘つく係り。
尚子さんは歯医者に寄ってから登校するそうです、なんて。

集配担当のおじさんがやってくる。
必死にお願いする尚子ちゃん。

いったん投函したものは返せないんだよね、
と、けんもほろろの郵便局おじさん。

ところが、このおじさんが融通無碍な御仁であった。

尚子ちゃんが差し出した生徒手帳をチェック。
恋文を探してくれたという。

彼女の恋は実らなかったが、
その相手は、いまや押しも押されぬ歌舞伎の花形役者になった。

(寒星・冬)
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by leilan | 2006-01-26 14:14 | 秀句鑑賞


バッカスの神さまに愛されたい
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