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『俳句』  See you later    

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    したたらす琵琶湖の雫ゆりかもめ


    鬼打ちの飛んで来る豆神楽坂


    亡き祖母の柊の釘低かりし


    脱糞の快歳の数だけ豆喰ふて   スミマセヌ

     ー裏faapokoに捧ぐー
    発車ベルひらりとブーツ乗り込みぬ 
  

    布団干す夜もお日さまに抱かれる子


    一菜は花菜一汁干し菜汁  
  

    落ちてゆく四角い豆腐寒の水


    わたくしがつかめるものに犬ふぐり


    つけかへる春の半えり長襦袢


       


■帰国したときの楽しみの一つに、TVの俳句番組を観ることがある。

4年くらい前だったか、「BS俳句王国」で主宰大会というがあった。
ビデオに録画してあったので、見直してみたら、
俳句結社の主宰という人たちはなかなか毒舌で面白い。

 氏も無く素性も知らず曼珠沙華  津田清子

津田清子さんはけなされる前に、
「私はもう曼珠沙華の句は何百と詠みましたので、こんな句しか出来ません」
と涼しい顔で述べた。

 畦行けばやいのやいのと曼珠沙華  藤田湘子

金子兜太さんが「上五が陳腐ですなあ、畦はつきすぎです」とバッサリ。
そして、即興で、

 (俳句)王国にやいのやいのと曼珠沙華

「はどうですか?目の前にたくさん咲いていますし」と言えば、
けなされた側の藤田湘子さんは、
「そんな下手な添削は頂けません」と笑った。

 どうしても解けぬ智恵の輪曼珠沙華

この句に対して、藤田湘子さんが、
「曼珠沙華を見て形から知恵の輪を連想したんですな、
それを俳句に詠むとは頭が悪いですなあ」
とあきれかえって言えば、

金子兜太さんまでが「ほんとに頭が悪いとしか言えません」と加勢した。

そういわれれば、本当に頭の悪い人の句に見えて、
いったい誰の句だろうとビデオに見入る(もう番組の中身を忘れてるw)

すると、星野椿さんが、
「頭が悪いと言われてどうしましょう。
知恵の輪に似ているなあと思って一生懸命詠みましたのに・・・」
みたいなことを平然と返した。

内心かなりかちんと来ていたと思うが、後半、

 いわし雲虚子と遍路をしたかりし  藤田湘子

と湘子さんが詠んだので、
「もう私は、湘子さんに祖父とお遍路がしたかったと詠んでもらって、
涙がでるほど嬉しいです。頭が悪いと言ったことは許してあげます」と言った。

湘子さんは、「良い句は出なかったけれど、会話が楽しかった」と締めくくった。

本当にその通り。
一般から募集した句のほうがよっぽど良かった。

 鈴の音となりて去りゆく夕遍路

主宰といわれる方々が歯噛みしている傍らで、
名もなき一般の人がこんな素晴しい句を詠む。
それもまた、俳句の面白いところである。

 寒月やポン引き纏ふ夜会服  しんいちろう

(仙台の)国分町に立つ若いポン引きのみなさんは、なにゆえあんな寒々としたかっこうをしてるのか?
もっと暖かそうにすれば良いのに…。ヒロシです。みたいなところから着想しました。

俳句をはじめてまだ四ヶ月ちょっとの人が、こういう写生句を詠む。
「ポン引き纏ふ夜会服」が季語「寒月」にスッキリと着地。
「夜会服」と大袈裟にもってきたところもいい。
さらには、ポン引きのお兄さんから声を掛けられて、
一瞬、心が動いている作者の様子まで目に浮かぶ、と勝手な妄想(笑)

 夜も更けし夏の名残のミント水  六尺

この句などは、句作二日目にして詠んだもの。
「ミント水」が初秋の静謐な空間を作り上げて爽やかである。

 風炉名残亭主に返へす猫のこゑ  たまご

句作五ヶ月目にして、富安風生ばりの詩情。
難しい季語「風炉名残」を「猫のこゑ」に結びつけた快作。

 夏至の夜や隣人の恋はじまりぬ  紡縷

句作八ヶ月目頃の句。四季折々をたんねんに写生するのを得意とするが、
ときどき、こういう句を詠んではドッキリさせる。隣は何をする人ぞ。
「夏至の夜」が絶妙。


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by leilan | 2006-02-03 16:40 | 俳句

『秀句鑑賞』

 梟がふはりと闇を動かしぬ  米澤吾亦赤


梟(フクロウ)は夜行性の生き物の代表格だ。
多くの生き物が寝静まった夜に、梟は動き出す。
大きな目を光らせて、彼らは夜の世界を見つめる。

木にじっとしていて見えなかった梟が突然、羽ばたいた。
それを偶然見ていた米澤吾亦赤は、
梟の羽ばたきが闇を動かしたような錯覚に捕らわれ、鼓動を高めている。

昼に生活する動物は暗闇を恐れ、
その闇をつかさどる生き物をすら恐れてしまう。
別に夜の世界にだけ恐ろしいことがあるわけではないのに。

彼らはどうして闇の世界を選んだのだろう。
そして、梟はなぜ時計になっているのだろう。

(梟・冬)
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by leilan | 2006-02-03 15:39 | 秀句鑑賞

『俳句』  保護主義から競争主義へ?           

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    人は死にピエロは死なず冬の果


    迷ひ犬つなぎ交番冬ともし


    早梅を見て聴診器うごかさず


    修羅一声つぶてのごとく雉子落つる


    年男立つや袴につまづきて


    東京に今も筏の都鳥


    じゃんけんで決める追儺の鬼の役


    校庭の隅が好きです薄氷


    震える花寄りて咲く花犬ふぐり


    学校へ蜂に刺されし顔で来る




■ブッシュ大統領の一般教書演説

ホワイトハウスのHPはここです。

相変わらず多く出てきた単語は「freedom」。
調べたら、50分ほどの間に17回登場。多過ぎ。

たまに、ブッシュの「freedom」には嘘の匂いがする。
自由であることは大切なことだが、
その原則一つだけで例えば中東が収まるか、
というとそうでもないような気がする。

その次に多かったと思ったのは、「comp」の付く単語。
「competition」とか「compete」など「競争」を意味する単語。
前者が12回、後者が5回で、合計17回登場している。

「With open markets and a level playing field,
no one can out-produce or out-compete the American worker.」
(開放された市場、同じ土俵なら、アメリカの労働者に勝てるものはいない)

こういう自信過剰なところがアメリカの困ったちゃん。

だから、アメリカは自国の産業が負けると、
他の国が open でない、
level playing field を提供していない、とくる。
でも、それは違うだろうに。

インド、中国という新しい競争相手の登場もあって、
ブッシュ演説にはアメリカの「自国競争力に対する強い懸念」が出ている。

その一端として、「math」(算数)が単語として5回、
「science 理科、科学」に至っては単語として7回も出てくる。

ブッシュ自身はお勉強が好きではなかったようだが、
これがどうして、教育パパならぬ教育大統領なのだ。

science の分野で基礎的研究計画へ連邦予算を今後10年で倍増、
そうした研究に対する税の控除を恒久化する、
子供たちの算数と理科の学力を他国と競争できるところまで引き上げる、
となかなかポイントを突いてくる。

興味深いのは、
日本ではメーカーが先んじてやっている自動車エネルギー源の転換を、
アメリカでは国家が先導しそうなことだ。
メーカーがやるのを待っておられぬというイメージ。

エネルギーと言えば、
「America is addicted to oil」(アメリカは石油依存症)
と言い切ったのは偉い。よくぞ言った。
中東への依存度削減にも言明。

2025年までに中東からの石油輸入の75%を、
他のエネルギー源と置き換える、という下り。
これは中東からの石油輸入を75%減らすということである。
サウジに対する牽制?

ハマスの勝利について何を言うのかと思ったら、
ハマスはイスラエルを認めなければならない、
武器を捨てねばならないなどと主張。
パレスチナの人々の選挙そのものは賞賛。

笑いが起こったのは、ベビーブーマーの退職に関する話の中。
「自分の父親(パパブッシュ)が好きな二人の人間、
つまり自分とビル・クリントンが、、、」
と言ったら、議会場は大爆笑。
彼らは二人とも今年60歳になる。

その瞬間、ヒラリーの顔がテレビに映った。
彼女はそこでは拍手をしなかった。
どう反応したらよいか迷ったような顔をしていた。

時期大統領選の民主党候補は誰になるのだろうか?

もう一つ面白い場面があった。
それは、盗聴に絡む「Patriot Act」に関する部分。

ヒラリーがいたので民主党の席だと思うのですが、
それまでそのたびにスタンディング・オベーションをしていた議員達が、
この部分では全く席を立たなくなる。シーン。

ブッシュが、9.11が手遅れだったから今は認めてくれ、
と言ったときだった。

今アメリカが一番割れている問題です。


    
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by leilan | 2006-02-02 15:19 | 俳句

『秀句鑑賞』

 冬終る封筒の中空色に  有馬朗人


つい先日、いただきものをしたときに、
真っ白な紙袋の中が鮮やかな空色だったことが、ちょっとうれしかった。

白い封筒は中も白、となんとなく思いこんでいる気持ちを、
ひらりとかわしてくれた。

私のお気に入りの、アメリカ『クレイン』社の封筒にも、
中が赤、青、緑、あるいはアンティークな花の絵などのものがある。
中に色がついていると、外に、少しその色が透けて見えるのがいい。

冬の印象はモノクロ、それも白が強い。
その白から、かすかに空色が透けて見えたのだ。
春が近いよ、そろそろ冬の終わりだよ、と。

(冬終る・冬)
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by leilan | 2006-02-02 15:13 | 秀句鑑賞

『俳句』  グリーンスパンに投げキッス!

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    美しき母とも知らでねんねこの児


    揚げ色のあはき飛竜頭風花す


    子遍路が学校道に外れたがる


    望楼の四方に硝子雪降れり


    雪催ひとりの土鍋吹きこぼれ


    ヘーゲルを教はりし日や冬木の芽


    冬の底家族に笑ひあれば足る


    冬めでし両手で包むマグカップ


    包丁を入れれば弾み春キャベツ


    片肘をついて遊びぬ春の風邪



■ 春立つやグリーンスパンに投げキッス

0.25%の利上げがあって、FOMCの金利水準は4.5%になった。
まあいいところじゃないですか。

日本時間の今日から、
火曜日の議会で最終承認されたバーナンキがFRBの議長になる。
グリーンスパンの議長期間は1987年8月11日から2006年1月31日まで。
お疲れさまでした。
そして、ありがとうございました。

うーん、なんて言うコンサルタント会社を作るんでしたっけ?

ど忘れしちゃいましたが、
FRB議長になる前の「タウンゼント・アンド・グリーンスパン」から、
「グリーンスパン・グリーンスパン」がいいのじゃないかな(笑)

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              目立たねど一途な男冬銀河
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by leilan | 2006-02-01 11:08 | 俳句

『秀句鑑賞』

 あんぱんのあんを見て食ふ二月かな  阿部青鞋 


あんぱんをひとつ買った。
それを二つに割って、中のあんを確かめてから、
やをら口にほうりこんだ。

まだ寒い二月のこと。
舌にとろける甘みは、
なんとも言いようなく幸せに思える。

「あんぱん」と置き、続けて「あん」と重ねたところも面白い。

真ん中にへそのあるところが、
何とも郷愁があって、かつ日本的な感じがする。

(二月・春)
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by leilan | 2006-02-01 10:38 | 秀句鑑賞


バッカスの神さまに愛されたい
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