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◇◆地球の温暖化、もはやイデオロギーで対立している場合ではないだろうに
英国の環境保護団体が、地球の温暖化に伴う氷河の溶解で洪水が起き、生命や貴重な環境に被害をもたらす可能性があると指摘。エベレストでリスクに対する監視調査体制を敷くよう求めた請願書を、パリの世界遺産委員会事務局に提出するという記事をロイターが配信している。

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21世紀の人類が直面している最大の問題と言えば、「持たざる国」の人口爆発と「持てる国」への大規模な移民現象、そして全地球規模で深刻化する温暖化現象である。ところが、こうした記事が日本の大新聞やTVプログラムで大きく取上げられることは非常に少ない。アメリカにおいてはこれが前々回のブッシュ対ゴアの大統領選のテーマであった。環境問題がライフワークであるゴアは全世界が取組むべき問題であり、大国アメリカが世界をリードしなければ解決の糸口が見えないと説いて回った。その一方で、エネルギー資本をロビーに持つブッシュは、ハドソン研究所ら親派のシンクタンクを総動員して真っ向から対立した。

事実、先進国において環境問題はイデオロギーの対立に発展している。憂慮する環境保護論者は、大気中の気体の構成が大きく変わっており、地球の温暖化は避けられないと考えている。だから、すでにはじまっている生態系の被害を減らすためには、ライフスタイルをあらためて大気への二酸化炭素の放出を減らさなければならないと主張している。

こうした立場と真っ向から対立するのが、懐疑的な科学者であり、自由放任主義をとなえる経済学者である。とくに後者は、成長の抑制に反対しており、企業活動や個人の生活に政府が介入するのを好まない。ネオ・マルサス学派と繁栄至上主義者が農業の見通しについて対立しているのと同じで、温暖化に関する著作もイデオロギー色が濃くなっており、それぞれが相手には「特定の目的」があるとしている。

このように、さまざまな反応があらわれているけれども、地球の平均気温が上昇していることについては科学的にも証明されており、21世紀半ばには地球の平均気温が1.5度から4.5度上昇すると考えられている。予測値の中をとって3.0度としても、ほとんどの学者は深刻な影響があると考えるだろうし、気候変動に関する政府間パネルは次のように警告している。

「最後の氷河期が終了して以来、この地球のどの時期に起こったものよりも大きい変動が起こるだろう」。

その最大の変動が、海面温度の上昇による南極大陸とエベレストなどの氷河の氷が降雪量を上回って、大量に融けることである。真剣に受け止めなければならない問題であるにもかかわらず、アメリカのエネルギー資本やそれに追随する日本の政治体制、そしてマスコミは国民に対して警告を発しない。地球の温暖化がもたらす利益よりも損失の方がはるかに大きいことは、ほとんどの科学者が推察するところであるのに。
by leilan | 2004-11-17 21:03
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