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◇◆俳句  碁仇の屋敷にいっちょ火の用心

碁仇の屋敷にいっちょ火の用心

白鳥や殉教の空ふり仰ぐ

ねんねこの夢ごと降ろす温さかな


うちのオヤヂは大酒飲みなのだが、
酒に飲まれるということが全くない人だった。

ところが、わたしが中学生のとき一度だけ、
泥酔してよそのおじさんに送られて来たことがある。

茶の間の隣にあった和室に、
母が急いで布団を敷いて寝かせた。
またたく間に、大イビキを掻いて、
家族の心配をよそに呑気なものだった。

ちょうど今ぐらいの季節で、
わたしは期末試験の勉強を茶の間でしていた。
母は仕舞い湯の後に、お風呂場を掃除して、
わたしにコーヒーを淹れてくれた(ネスカフェだが)
いつものごとく、
「12時前には寝なさいね」
と、言い残して二階へ上がっていった。

だいぶたって、
隣の部屋がガサゴソして、オヤヂが起き出したようだった。
そして、いきなり、

「ママさん、世話になった。俺、帰るから」

なんて言うので、
気でもふれたのかと心配して、
慌てて襖を開けたら、
オヤヂはきちんとネクタイを締め直して、正座していた。

どうも、バーのママさんちに泊まっていると勘違いしたらしい。
この一件は未だ母には内緒にしている。
by leilan | 2004-12-07 19:04
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バッカスの神さまに愛されたい

by leilan
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