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◇◆極東ブログ「日本学生の読解力が問題ではなく文化差異が問題だ」について考える
極東ブログの 「日本学生の読解力低下が問題ではなく文化差異が問題だ」
これは鋭い指摘であり、拡大解釈をすすめるならば、
グローバリゼーションにおける日本の対処法へと繋がっていく問題であろう。

キリスト教文化は、言語によって関係をつくっていく。
これは、日本人にはなかったことである。

finalvent氏が、
「日本人の心というのは、子供ですら、即座に空気を読み、
そして政治的判断を下にして身の置き所を考えるのである。」
と述べられているように、
日本人の関係というものは、言語以前の関係が重要である。

たとうれば、日本人の「察する」というコミュニケーション。
「わかってくれよ」なんて言い方をする。
あるいは、「わからないかなあ」とか「俺とお前の仲だ」とか。
こうした、ノンヴァーバル・コミュニケーションが日本人には可能だ。

しかし、日本人はそれがコミュニケーションの前提となるので、
欧米人とコミュニケーションするとちょっとおかしくなる。

欧米には「察する」という文化がない。
ゆえに、日本人のように言語以前の関係をつくるということはできない。
欧米人は、言語によって関係をつくっていくのである。

ここに、finalvent氏の指摘される文化差異の問題が、
一つ出てくるのではないだろうか。

どうも、日本人は、欧米人の強さ、怖さというものを、
案外、知らなすぎるのではないかと思う。
欧米で、一人の人間が子供から大人になっていくとき、
どれだけかっちりと鍛えられているかということをもっと知るべきだろう。

欧米のガキどもの、まあ、理屈をこねること、こねること。
子供がバカなことをしていて、ちょっと注意でもしようものなら、
あのガキども、完璧な理屈で返してくる。
しかし、大人のほうも理屈で応戦して、最後には子供が負かされるのだが、
これが日本だったら、「ごめんなさい」でおしまいだ。

しかも、このガキどもは、こっちの理屈に対して絶対、
「I don't understand.」なんて言わない。
「I'm not convinced.」なんて挑戦してくる。
お前がアホだから、わたしを説得できないんだ、という論法。
悔しくて、頭に血が上りそうになる。(真実このクソガキが、と思う)

こういう環境にいると、
気がつけば、わたしも理屈こねこね女になっていて、
日本人の男性には概ね煙たがられる(淋しい)

考えてみれば、日本の教育は、
ものの考え方、表現の仕方というものは教えない。
言語表現とは、絵を描くとか、
歌を歌うとかいうのと同じような表現能力なのだ。
しかも、日本の作文は、
「蝶よ花よ」みたいなものを書かないと認めてくれない。

ところが、欧米では四六時中、作文を書かされて添削される。
自分の言いたいことを伝えるのはこう書けとか、
どういう順番にしろとか、論理が急に飛躍しすぎるとか。

そういう指導を日本の小・中・高等学校ではしない。

それから、欧米の論理の根本は区別することに始まる。
この区別を徹底的に洗練させていくことによって、欧米の文化はできている。
ベルガとソフィアの手紙も、区別の論理を徹底させていけば、
自ずと回答は出来上がってくる、と考える。

とまれ、グローバリゼーションは、もはや避けがたい現実である。
日本人も異文化世界との対話能力を獲得していかなければならない。
しんどい世の中になったものだ。
by leilan | 2004-12-08 22:14
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