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『悪は善より魅力』を地で生きた男
セルジュゲンズブールのロリコン魂が
妖精ジェーンバーキンとの邂逅を得て
一挙に炸裂したこの曲。
ジェーンバーキンは
彼の、夢見るシャンソン人形だった。
♪ジュテームモワノンプリュ・・・
しかし、この曲もともとは、
ブリジッド・バルドーに捧げたもの・・。
セルジュゲンズブールの人生とは?
1928年4月2日、リュシアン・ギンズブルクこと、セルジュゲンズブールは、ロシア出身のロシア系ユダヤ人の父ジョゼフと母オリアのもとに双子の弟としてパリで生まれる。
やがて戦争が始まり、ナチスドイツがパリを占拠すると、ダビデの星をつけながら幼いセルジュはパリを逃げ回った。この原体験が後に彼の作風に大きな影響を及ぼすこととなる。彼の強烈なニヒリズムやシオニズム、絶望的なまでの客観性、それと裏返しの生への歓喜と快楽主義。後に語られるユダヤを差別した言葉「ナチロック」や「イエロースター」は、そのトラウマへの言及なしには語れない。
やがて、セルジュはモンマルトルの絵画アカデミーで、エリザベットルビツキーと出会い、結婚。生活のためにピアニスト兼ギタリストとしてナイトクラブを廻りはじめ、本格的にミュージシャン稼業へと入っていく。しかし、この結婚は57年に破綻。
当時、実存主義者で才人・ヴィアンのライブを観た彼は大きなショックを受ける。デビューしたものの全く認められなかったセルジュを、ヴィアンは陰日なたなく擁護した。
ようやくセルジュにも幸運の女神が微笑みかける。彼の作曲した
「夢見るシャンソン人形」がイエイエ時代とマッチしたのか、ユーロ音楽祭で優勝。たちまち世界的な大ヒットとなる。彼のもとには仕事が殺到し、60年代はセルジュにとって一つの黄金期となった。
私生活では二度目の結婚を果たすが、仕事が忙しくなればなるほど家庭内はうまくいかず離婚。その次にあらわれた女は、ブリジッド・バルドーだった。しかし、既婚のBBにとってはほんの浮気で、色男セルジュ・ゲンズブールはあっさりと捨てられる。
失恋の果てに待っていたのが、ゲランブラ監督「スローガン」の主演だった。しかし、相手役が交代したこと、ピンチヒッターの女優が全くフランス語を話せない娘だったことに腹を立て撮影はうまくいかない。
そこで監督が魔法をかけると、翌朝二人は仲良く手をつないで撮影現場にあらわれた。こうして、イギリス出身のジェーンバーキン&セルジュゲンズブールのカップルが誕生する。すぐに、娘シャルロットゲンズブールが生まれ、セルジュはジェーンバーキンの魅力を引き出そうと映画「ジュテーム・・・モワノンプリュ」を撮る。ジェーンバーキンは、エルメス・バーキンのモデルとしても有名だった。
80年に入ると、セルジュはレゲエ盤・フランス国家「ラ・マルセイエーズ」を作ってしまう。これがフランス極右の怒りを買い、本人はただの遊びのつもりが、コンサート会場に退役軍人たちが押しかけるという騒動に発展した。ミュージシャンたちはステージから逃げ、セルジュは一人でアカペラ「ラ・マルセイエーズ」を歌いきった。
その無軌道な挑発ぶりが若者に人気を呼び、セルジュは再び脚光を浴びる。しかしこの年、掌中の妖精・ジェーンバーキンが彼のもとを巣立っていく。自我に目覚めたロリータのひとり立ちであった。
セルジュゲンズブールのロリコン趣味はつとに知られるところで、自分の娘を主演にロリコン映画を撮ってしまうほどであった。
失意のどん底に喘ぐセルジュは、21歳のモデル・バンブーと出逢う。彼女はナチス将校の一族出身で、これもまたセルジュ一流の挑発的行為でもあったのだろう。バンブーとの間には、息子ルシアンゲンズブールを儲ける。
84年、TV出演中に500フラン札を燃やしたり、ホイットニーヒューストンにFuckしたいだの言ってみたり・・・それでもフランス国民はセルジュを愛し続ける。85年には、柄にもなく「芸術文化勲章」まで貰ってしまった。
しかし、その頃から体調が悪化しはじめる。紫煙をくゆらすことも緩慢な自殺・・・なんて最後まで煙草を離さず、91年3月2日、自然死に近い心臓発作で永眠。
彼の葬式には、何千人もの若者、カトリーヌドヌーブをはじめ交流のあったパリの女たち、フランスの大臣・・・そして、最後まで愛してやまなかったジェーンバーキンが参列した。モンパルナスの墓には、今も若者たちの姿が絶えない。
セルジュゲンズブール。悪魔の仮面を被ったパリ野郎。挑発もまた彼の遊びの一環に過ぎなかった。20世紀フランスの一つの象徴として、後世に語り継がれる男であろう。ジュテーム・・・モワノンプリュ.........
*映画「ジュテームモワノンプリュ」の詳細は
こちら。
*セルジュゲンズブールの裸足で靴・・は
こちらに詳しい。