石捨てて子供は帰へる秋の暮 麗蘭
戦中派の父にとって、
戦後になって観た名画の数々には
思い出が一杯詰っているという。
そんな父に、
「思い出の名画を一本あげるとしたら何?」
と訊ねたことがあった。
名画?
そりゃあたくさん観たよ。
しかしねぇ、
たった一本あげろと言われると、
「
哀愁」だなあ。
ストーリーはありきたりだし、
甘い、
と君は笑うだろうけど・・・。
あの頃、
シロクロの小さいスクリーンで観た映画の数々、
みんなよかったよ。
外国の風物、
外国人の生活、
そして女性の美しさ。
「哀愁」ではじめて観たヴィヴィアン・リーの美しさ、可憐さ。
この世のものと思えぬほどに美しい女優は一杯いたけれど、
このヴィヴィアン・リーは普通の乙女でありながら、
繊細で、たおやかで、
ほかの誰にも負けないものがあったね。
戦中戦後という、この映画のテーマも、
当時の私らにはまだ身近なものだった。
ロバート・テーラーとヴィヴィアン・リー、
美男美女の演じる悲しい物語にかくも感動したのは、
私の年齢とあの時代が背景にあったからだね。
国が豊かになり、
自分も大人になって、
大きな劇場の巨大画面でカラーで観る映画とは、
ひと味もふた味も違っていたな。
父のこの話を聞いてから、
少なくとも20年以上の歳月が流れているが、
忘れ得ぬものの一つとして心に残っている。
インドの株価指数(SENSEX)が8,052.56( +105.78 +1.33%) と
8000の大台に乗った。強いままでの推移。
大台乗りにちょっと逡巡が見られたのだが、
8日の市場では一気に高値を抜いてきた。
当然、高値警戒感はある。
しかし、per はまだ全般に低いし、経済にも活力はあるが、
素人はここからは少し様子見がいい。
今月、ドイツが同じように総選挙を行う。
戦後の華々しい成長から成長鈍化に見舞われたこと、
人口の老齢化に見舞われていること、
各種社会保険支払いが巨額に上っていることなど共通点が多い。
日本とドイツは同じ問題を抱えている。
ドイツの投票日は確か一週間後だったと思った。
このドイツの選挙結果も重要だ。