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『俳句』  キネマ観て釣瓶落しの世に雑(ま)じる

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          キネマ観て釣瓶落しの世に雑じる  麗蘭






ボジョレー・ヌーヴォーは毎年11月の第3木曜日に解禁となる。
今年は11月17日、日本が世界の口火を切る。

私はボジョレー・ヌーヴォー・ファンではない。
飲んべえにとってはちょっと薄くて甘過ぎる。

しかしビジネスとしては、
この「ヌーヴォー世界同時解禁」というのは、なかなかのアイデアだ。

毎年、これが気になる層の需要を確約し、新たな興味をも開拓する、
実に素晴らしいマーケティングだ。

依存症ではありませんが、私はお酒が好き。
(こんなこと書いて、何を今更という感じですが)

あらゆる類のアルコールを嗜むが、
一番好きなのは常温の日本酒。

熱燗にするとアルコールが少し抜けるため、
甘くなりすぎるような感じがする。
それで常温。

女だてらに恥ずかしいが、塩なめてのクチだ。

常温のお酒は、お酒本来の微妙な香りや味が際立つので、
なかなか本当に美味しいものには巡り会えない。

ところが、ウイスキーやワインなどは、
飲み始めると段々グレードを上げていかないと飲めないが、
なぜか日本酒だけは飲むほどに味に対して寛大になっていくので、
最初の一、二杯を超えると、もうなんでもOKになってくる。

「そんなに飲んだら、誰もお嫁さんにもらってくれませんよ」
真性下戸の母は、うわばみの娘をよく嘆いた。

それで、どんなに酔っ払っても、
玄関を開ける前に大きく深呼吸して、
神妙な顔付で、ただいま帰りました、
なんてしゃきっとして見せるのだが、
玄関のたたきにはハイヒールが横倒しになっていたりするのだ。

そんな大馬鹿娘なのに、母は、
ベッドサイドのテーブルに水差をそっと置いてくれたりした。

日本酒にもヌーヴォーがあるが、一般にはあまり意識されない。
6月から7月にかけて、同じ銘柄のお酒の味わいが微妙にぶれる時がある。
これが日本酒ヌーヴォー出荷の瞬間だ。
それから一月経たないうちに新子が出てくる。

日本人は季節をとても大事にするが、
日本酒にしても、蕎麦にしても、鮨屋のネタにしても、
季節感を敢えて消し去ろうとするのは何故なんだろう。
いつでも一番美味しいものを食べているという錯覚を起こさせるためなのか。
食の季節感は大切にしたいものだ。
by leilan | 2005-10-14 21:53 | 俳句
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バッカスの神さまに愛されたい

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