星空にネリカンブルース息白し
ずわい蟹外反母趾を疑へり
煮こごりを踏んでしまひし孤独かな
寒の雨摩天楼より垂直に
山茶花の裏であやとりひそやかに
極寒や板かまぼこの正義感
ハイハイと手を上げて来る寒波かな
新海苔や二三が六のにぎり飯
寒月や標本室のデスマスク
一月の頭痛の種に水をやる
深沢七郎著『生きているのはひまつぶし』読了。
「動物の中で人間が一番バカで悪いヤツ」のくだりから。
日本人の人口が増えた方がよいというのは、みんな悪いヤツが言うこと。
人に働かせて、自分はのうのうと暮らそうとしている。
子どもが増えれば、奨励金をやる、というのは悪いヤツ。
労働力を増やすためにそういっているだけ。
自然淘汰にまかせるのが一番。
戦争、洪水、病気、自殺は自然淘汰だよ。
人が増えると、困るから。
1987年に没した深沢七郎が、18年前に残した言葉だ。