如月の色とりどりに和菓子店
たつぷりと髪結ひ上げて今日立春
東風吹かばティッシュペーパー歩み寄る
ホノルル・アドバタイザー(日刊紙)に、
<ANNIE'S MAILBOX>という人生相談のコーナーがある。
全米から寄せられた相談の中から、
選りすぐったものが掲載されているのだが、
日本の人生相談とはまた、ひと味違った面白さがあって、
アメリカ人というものをつくづく知らされる。
きょうは、こんな相談が寄せられていて、
朝食を取りながら、しばし考え込んでしまった。
<Son's donor card raises questions of paternity>
Dear Annie: My blood type is AB, and my wife's is B.
I happened to see our adult son's Red Cross doner
card, and it shows that he is type O. The good news
is that we are all regular donors. The bad news is
that he cannot be my son.
A little over 40 years ago, around the time "Wayne"
was conceived my wife and I had a bit of a rough patch,
but that is long behind us now. Since his birth, I always
have considered him my son.
I don't know how to raise this issue with my wife.
I love her more than life itself and do not want to
harm our close relationship. And I also don't want to
hurt "my" son. At the same time, this knowledge is
very troubling to me and may have inheritance
implication, etc.
Is there a way to clear the air and let my wife know I
will love her no matter what? What do I do, and how
do I do it?
40年以上も、自分の息子だと思って育ててきた父親が、
息子の血液型を知り、愕然とする。
それは、自分たち夫婦からは生まれて来ないタイプだった。
妻にこの問題をいかに持ち出すべきか、
愛する妻との関係にヒビが入ってしまうのではないか、
それによって息子を傷つけはしまいか、
などど悶々とし、思い余って相談しているのだ。
そして、回答者のアニーは、
ドナーカードは極めて神聖なものではないし、
それが間違っている可能性もある、としながら、
あなたが奥さんと話し合いたいのなら、
彼女を非難しない方がいいかもしれない。
あるいは、この件について、あなたから直接ではなく、
わたしから奥さんに話すのがよいのかも知れない。
そして、あなたは、この事実を息子が知ったとき、
どのように彼を慰めるのか、考えた方がいい。
問題の核心は、あなたでも奥さんでもなく、
息子にこの真実を如何に伝えるかということ。
このケースは、息子にメディカル・ケアが必要、
と回答している。
この問題への現実的な対応の仕方が、
如何にもアメリカ人だよな、と思うのだ。
この夫の煩悶は痛いほど解るが、
もし、息子がこの夫の子供でなければ、
妻は当然にこの事実を知っているわけで、
彼女はひとり、胸のうちで苦しみぬいて来ただろう。
夫に手を合わせて、生きてきた40年であったに違いない。
この夫が息子に愛情をかけている姿を見て、
シメシメ・・・なんて思うようなタマだったら、
あたたかく幸せな家庭など築けるわけがない。
悩める父よ。
あなたの妻は、長い歳月、その罪を洗い清めてきた。
だから、この秘密をあなたは墓場まで持っておいきなさい。
それが、最良の選択ではないかしら。
とアドバイスするわたしは、
やっぱり、骨の髄まで日本人なんだろうねぇ。